初日の出、願いつつ山へ 北アルプス越年登山
年末年始を北アルプスで過ごす登山者が今冬も、松本市安曇の上高地から入山している。30日は大きなザックを背負った人たちが、陽光に照らされた真っ白な穂高連峰や焼岳を眺めながら河童橋前の道を通り、目的の山に向かった。 【動画付き原稿】厳冬の上高地から蝶ケ岳へ(12月30日の登山記録) 上高地に通じる道路は冬季閉鎖されており、登山者は釜トンネルから歩いて入山する。日本大理工学部の山岳部員やOBら5人のパーティーで訪れた同学部3年の籾井大空(そら)さん(21)=東京=は、雪山登山の技術を身に付けるために蝶ケ岳を目指すとし「天候が心配だけれど、初日の出が見られたらいい」と願った。 この日は冬の上高地を日帰りで散策する人たちも多く見られた。釜トンネル前に登山相談所を設けている北ア南部地区山岳遭難防止対策協会などによると、30日に上高地に入ったのは約130人。このうち越年登山を計画しているのは10人ほどで、昨年よりも少ないという。同協会救助隊の加島博文副隊長(50)は31日以降の天候悪化を心配し、「無理せず安全に行ってきてほしい」と話していた。 長野地方気象台によると、31日の県内は低気圧の影響で断続的に雨が降り、標高の高い所では朝晩を中心に雪になる見込み。31日夜から元日にかけては冬型の気圧配置となり、北部の広い範囲と、上田地域の菅平周辺では大雪に注意するよう呼びかけている。