4月消費者物価↑2.2% 野菜や牛乳は値上がり、100円ショップは「厳しい状況」【WBS】
100円ショップの物価対策
価格が変動する中、価格を変えづらいのが100円ショップです。川崎市で90年近く小売店を営む越後屋。デフレが続いていた25年ほど前から町の100円ショップに業態を変え、営業しています。しかし物価が上がり始めた今、店を維持するのが大変だと言います。 「老眼鏡ですね。前は3種類ぐらいあった。それが1種類に減ってしまった」(越後屋の坂井一彦店長) 原材料費の高騰で販売価格100円で作ることができなくなり、入荷ができない商品が出てきているのです。 さらに「プラスチックの高騰で、最近ではこういう縁の原料を減らすつくりになっている」(坂井店長)。 A4サイズが入るケースの大きさは同じでも、100円を維持するためプラスチックの強度や厚みが変わったといいます。 ただ100円ショップ市場は消費者の節約志向を捉え1兆円を突破。帝国データバンクによると、大手100円ショップチェーンは300~500円の付加価値を高めた商品ラインナップを拡充し、利益確保の動きも進めているといいます。 値上げの対応について小規模店舗である越後屋の坂井店長は「6月に電気料金値上げなどさらに負担が増える。小売店としては厳しい状況になっているのではないか」と話します。
大幅上昇した品目は?
小売店が対応に頭を悩ませる物価の上昇ですが、4月の消費者物価を見てみると、様々なものが1年前から大幅に値上がりしています。 例えばせんべいは原材料価格などの上昇で19.9%の値上がり。レトルトカレーは15.1%の上昇となりました。うるち米は肥料や燃料費の高騰により9.1%の上昇でした。 我々が口にする食品だけではありません。ホテルなどの宿泊料は訪日外国人の急増で18.8%と大きく値上がりしています。さらにドックフードは原材料費の上昇などで9.7%の上昇となりました。 6月には電気料金やガス料金の価格を抑える政府の補助金が廃止されることから、今後もさらに値上げは続くと予想されています。 ※ワールドビジネスサテライト