事件の構図

　栃木県那須町伊王野の河川敷で4月中旬に夫婦の焼損遺体が見つかった事件で、夫婦の殺害に関与した疑いが強まったとして、県警と警視庁の合同捜査本部が殺人の疑いで、実行役とされるいずれも住所、職業不詳の20歳男2人=死体損壊容疑で逮捕=の逮捕状を取ったことが20日、捜査関係者への取材で分かった。21日にも再逮捕する。両容疑者は調べに黙秘を続けているが、事件当時に夫婦の殺害現場とされる東京都内の空き家周辺にいたことが防犯カメラ映像などから判明している。 　捜査本部はこれまでに、死体損壊の疑いで主導役とされる東京都世田谷区、会社役員の男（32）ら計6人を逮捕。殺人容疑での立件は仲介役と指示役に続き、計4人となる。主導役らも殺害に関与したとみて、殺人容疑での再逮捕も視野に捜査している。 　捜査関係者によると、実行役とされる両容疑者は他の容疑者らと共謀し4月15日午後11時50分ごろから翌16日午前1時半ごろまでの間、同品川区東五反田4丁目、空き家1階のガレージ内で、同千代田区、会社役員男性=当時（55）=と妻の会社役員女性=同（56）=の首を絞めるなどして殺害した疑いが持たれている。女性の頭部には複数箇所の骨折もあった。 　仲介役とされる埼玉県越谷市、建設業の男（25）は「報酬を約束され、夫婦の殺害と遺体の処理を（実行役に）頼んだ」と供述。実行役とされる両容疑者は仲介役とされる男から車を借り、4月15日深夜に空き家に向かったとされる。ガレージで夫婦を殺害後、遺体を車に乗せて那須町方面へ向かい、遺体を焼損した疑いが持たれている。両容疑者は夫婦と面識はないという。 　実行役とされる韓国籍の男は当初、「（仲介役とされる男から）遺体の処理と殺害を頼まれた」と供述。もう1人の実行役とされる男は空き家のガレージに「入っていない」と供述していたという。2人は現在は黙秘している。 　実行役とされる男の1人は元俳優。2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で、主人公の戦国武将黒田官兵衛の幼少期を演じた。