燃え上がる炎に般若心経、五穀豊穣を願う 戸隠神社中社、3年に1度の「柱松神事」
長野市戸隠の戸隠神社中社で23日、戸隠信仰を伝える「柱松(はしらまつ)神事」があった。五穀豊穣(ごこくほうじょう)などを願って3年に1度行っている。雑木などで組んだ「柱松」を燃やし、その周囲を神主や修験者が般若心経を唱えながら歩いた。 【写真】点火された3本の「柱松」。火の勢いを強めるため、うちわであおいだ。
降りしきる雨の中、白装束の修験者らがほら貝を吹きながら大鳥居前に到着。神主にササの葉で体に熱湯をかけて清めてもらった後、修験者は三つの柱松に点火し、炎は勢いよく燃え上がった。
友人と訪れた大阪府枚方市の自営業南野里沙さん(50)は「大切に伝統を守っていて素晴らしい」。神事の実行委員長の極意(ごくい)憲雄さん(77)は「雨で火が付かない心配もあったが、無事に進んで安心した。豊作になってほしい」と話していた。
神事は江戸時代末期に途絶えたが、戸隠信仰を後世に伝るため2003年に復活した。