男性が100歳まで生き延びる可能性は何パーセント?米調査が「人類の寿命の限界」を発表
多くの人が望んでいるのは、できるだけ長く、そして健康に生きること。そのために医師たちは長生きの秘密を解き明かそうと懸命に取り組んでいるけれど、最新の研究によると、どうやら人類の寿命は限界に達している可能性があるという。 【写真】調査で判明!健康で長生きしている人が食べているもの ただし、この見解は、過去1世紀で平均寿命が数十年も延びるという急速な進歩を踏まえたものである点に注目したい。20世紀を通じて、先進国では平均寿命が10年ごとに約3年も延び続けた。その成果により、21世紀に生まれた人は「1900年に生まれた人よりも、平均して30年長生きできる可能性がある」と『Scientific American』誌は報じている。 ところで、寿命の限界とは一体どういうことなんだろう? その限界を超えるために私たちが心得ることは? 知っておくべきポイントをアメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。 ※この記事はアメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
この研究で発覚したこと
『Nature Aging』誌に掲載されたこの研究は、1990年から2019年までの長寿国上位8カ国(オーストラリア、フランス、イタリア、日本、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス)に加え、香港と米国の人口統計データを基に、各国の生存率を分析している。 研究者たちいわく、20世紀を通じて人類の平均寿命は約30年も延びているものの、近年ではその延びが鈍化し、米国では実際に寿命が低下している。医学の飛躍的進歩がない限り、女性の平均寿命は87~90歳、男性は84歳にとどまる見込み。 「我々の分析によると、100歳まで生存する確率は女性で15%、男性で5%を超えることが難しいと考えられます。つまり、生物学的老化のプロセスを大幅に遅らせられない限り、寿命の劇的な延びが今世紀に実現する可能性は低いと言えるでしょう」と研究者たちは論文に記している。
寿命を延ばすには?
寿命とは、あくまでも「生存すると期待される年数」であり、実際に生きる年数ではない。つまり、多少の余地があるということ。 カリフォルニア州サンタモニカにあるプロビデンス・セントジョンズ・ヘルスセンターのパシフィック神経科学研究所で、老年医学の専門医、および老年性認知健康部門のディレクターを務めるスコット・カイザー医学博士は、将来の健康を向上させるために、今からできるだけ健康的な選択をすることが大切だと話している。 つまり、健全な人間関係を維持し、他者との社会的なつながりを保つことが非常に重要だという。「数十年にもわたる人々の人生の追跡調査では、良好でポジティブな人間関係こそが、より健康で幸せな長寿を実現する最も強力な要因であることが示されています」 加えて、積極的に体を動かし、毎晩7時間以上の睡眠をとり、マインドフルネスを実践すること、そして葉物野菜やベリー類をはじめ、植物性の栄養素が豊富な食べ物をふんだんに取り入れたバランスの良い食事を心がけるように勧めている。 カイザー医学博士は、「健康的に老いること」を「車のお手入れ」と例え、よいものを取り入れれば、「健康的に長生きできる可能性は格段に高くなる」と伝えている。