五輪招致後の“後だしじゃんけん”はアリなのか?
五輪招致については、門外漢にとっては、「会場の良し悪し」が決定的に重要に思えます。が、実際は五輪開催に必要な要素のうち、一部分に過ぎない、ということでしょう。 実際、見直しが発表された後の6月下旬に来日したIOC調整委員会のジョン・コーツ委員長は、東京五輪会場予定地の視察などを終えて、「これまでに進められた組織委員会の準備状況に大変満足しています」と手放しで賞賛。会場計画の変更については、記者会見でも「できるだけ早い段階で改善することが重要」と理解を示すなど、変更を問題にする素振りは見られません。 東京都のオリンピック・パラリンピック準備局によると、立候補ファイルを後から見直すことについては、段取りを踏めば認められるといいます。会場に何らかの変更がある場合は、まず事前に、関連する競技団体と調整して了解を得て、さらにIOCの事前の了解も得る必要があります。そして、会場の場所が変わるような大きな変更なら、IOC理事会で了承を得る必要があるそうです。 実際、過去の五輪でも、会場の変更が行われるのは珍しくありません。直近のロンドン五輪(2012年)の場合は、新体操、バドミントン、バレーボール、水球、フェンシング、自転車・マウンテンバイクで、会場が変更されました。また、韓国の新聞・朝鮮日報の報道によると、韓国で2018年開催予定の平昌五輪(2018年)も、招致が決まった後に、「新築する予定だったスピードスケート競技場とアイスホッケー第1競技場について、規模の縮小、五輪後の撤去を限定にした再設計または一部設計変更を検討している」と伝えられます。 東京都オリンピック・パラリンピック準備局では「会場の場所を変えることなどが報道されているが、まだ検討段階で未定。工事のやり方、工法などを含めての話で、すべてを変えるわけではない」と説明します。見直し内容が固まる時期については、「変更点は、来年2月にIOCに提出する『大会開催基本計画』には反映させたいが、内容がいつ固まるかは、これからの作業次第」と話しています。 (文責・坂本宗之祐)