オーメンのトラウマ再び…『オーメン』前日譚、初代リスペクトの本編映像公開
1976年に公開されたトラウマホラー『オーメン』の前日譚映画『オーメン:ザ・ファースト』(4月5日全国公開)から、初代映画のワンシーンを思い起こさせる本編映像が公開された。 【動画】1976年のトラウマが蘇る…『オーメン:ザ・ファースト』特別映像 6月6日午前6時(666)に生まれた悪魔の子・ダミアン誕生の秘密に迫る本作。ダミアン誕生が迫る中、それを阻もうとする者が次々と惨たらしい死を遂げていく。修道女になるためにローマの教会で奉仕するマーガレットも、その不可解な連続死に巻き込まれてしまう。
公開されたのは、初代『オーメン』でダミアンの世話係を務めた女性が“衝撃の行動”を取った、トラウマシーンのオマージュであることが連想される映像だ。建物最上階のベランダに立つ謎の女性が不敵にほほ笑み、マーガレットたちに手を振っており、次の瞬間、突然表情をガラりと変えて「すべて、あなたのためよ」と意味深な言葉を発する。
前日譚には、初代『オーメン』にリスペクトを捧げたシーンが数多く存在するといい、マーガレット役のネル・タイガー・フリーも「映画の中には、1976年公開の『オーメン』を象徴するような小さな瞬間がたくさんあるわ。幻想的な死や狂気的な暴力シーンは、すべてオリジナルへのオマージュであり、イースターエッグを見つけるような楽しさがある」と先日行われたワールドプレミアで語っている。
本編映像でさらに注目すべきは、1976年版を彷彿させる“恐怖の描き方”。観客を不意に脅かしたり、何かが襲い掛かるようにして怖がらせる演出も増えているなか、本作は『オーメン』のように“どこか不穏で気味が悪い”と感じさせる質感を、最新技術で再現している。カメラワークにもこだわっており、何か不吉なことの前兆(オーメン)を描くシーンでは、視覚的に意味を持たせたり、音楽の切り替えで常に不穏な空気感を漂わせるなど、当時の手法をあえて取り込み、見えざる恐怖を助長する演出が採用された。
大のホラー好きであるネルも「ここ数十年、ホラー市場では、すべてが本当に速いテンポで、とてもうるさくて、グロくないといけないという風潮があった。それとたくさん血が出るというね。人々は物語を見るよりも拷問を見るようになったの。お化け屋敷に入ったり、ジェットコースターに乗ったりして恐怖を感じるようなものよ。人々は心を掻き乱されたいの」と近年のホラー作品の傾向を説明する。