西武・武内夏暉 将来に「楽しみしかない」 ベテラン捕手も感嘆する投球内容/即戦力と言われて
2023年10月26日のドラフト会議でソフトバンク、ヤクルトとの競合の末、当時の松井稼頭央監督がクジを引き当て力強く右手拳を掲げた姿を今でも鮮明に覚えているライオンズファンは多いだろう。その後、「ぜひ、ライオンズの力になってくれるよう期待しています!」との前指揮官の言葉に、武内夏暉は全身全霊で応えた。 【選手データ】武内夏暉 プロフィール・通算成績 新人合同自主トレ時から評判どおりの能力の高さを発揮し、春季キャンプもA班に帯同。初めての対外試合ではプロの打者を相手に打ち込まれたものの、「変化球に課題を感じましたし、直球も含め、甘い球を見逃してもらえない」ことを学び、ブルペン投球や試合登板を重ねるごとに一つひとつ課題をクリアし、開幕先発ローテーション入りを果たした。 そして、圧巻だったのが4月3日のプロデビューのオリックス戦(ベルーナ)だった。7回85球、1安打7奪三振、2四球、無失点と文句なしの内容で初勝利を飾ってみせた。 その後も、シーズン通してバッテリーを組み続けた球界屈指の経験値を誇る名捕手・炭谷銀仁朗によって能力を引き出され、デビュー戦から9試合無敗の自身5連勝、なかでも5月は4試合登板3勝、防御率0.63の圧倒的な内容で球団史上最速での月間MVPを受賞。最終的にはルーキーながら21試合に先発、規定投球回に到達し、リーグ2位の防御率2.17とエース級の成績を残した。 「まだまだ成長途中。将来どこまでいってしまうのか、楽しみしかない」と、何人もの超一流投手の球を受けてきた炭谷も胸を躍らせる。最下位に沈んだチームの中で、武内の活躍は最も輝く未来への希望の光だった。 写真=BBM
週刊ベースボール