今季飛躍した安田祐香の14本を分析! まさしくスライサーのお手本と言われる理由は何?
今季念願の初優勝を果たした安田祐香。来季は2勝目が期待される23歳が使用するクラブセッティングを詳しくレポートしたい。 【写真】安田のクラブ14本全部見せます! FWとUTの打痕がスゴイです ドライバーは、『スリクソン ZX5 Mk II』(10.5度)に『ATTAS KING 50S』(45.5インチ)を挿している。そんな彼女のクラブについて、クラブフィッターの吉川仁氏に詳しく分析してもらった。 「持ち球であるドローボールを打ちやすいシャフトですね。45.5インチと少し長めで、フラットなプレーンで振れます。短いクラブを使うと上からそのまま入りやすくなるので、ドローが打ちにくい。横からフラットに低いところからヘッドが入れると、ドローが打ちやすいんです」 また、つかまりやすいヘッドに先が動くシャフトを使用している点も見逃せない。「『ATTAS KING 50S』は先調子系なので、つかまりが良くなってドローが打ちやすいですね。UTSマミヤ製シャフトは剛性が高くなく、ほどよいしなりとトルクを備えるのでアマチュアにとってもやさしい。ボールがつかまって高さが出せるのが『ATTAS KING 50S』なんです」 ただ、先しなりシャフトが合う人には条件があるという。左サイドで踏ん張りながら、インパクトを迎えられる人には合うが、左にスエーして体が一緒に回る人は先しなりシャフトは合わないから注意が必要だ。そういう人には手元がしなるモデルが合うという。 3番ウッドでも『Miyazaki CODEX KIRI 5S』という先調子シャフトを採用。ユーティリティでは、『アッタス MB HY』という中調子シャフトを使用しているのはなぜだろうか? 「彼女はヘッド軌道が緩やかに下りるタイプなので、先調子モデルだと芝の上でも楽に球を上がりますね。また、ユーティリティの『アッタス MB HY』は中調子ですが、先が動きやすいモデルなので、球がつかまりやすくドローが打ちやすいと思います」 6番からPWは『スリクソンZX5 Mk II』ヘッドに『N.S.PRO 850GH S』シャフトを採用。最近女子ツアーで使用者が多い軽量スチールシャフトを使用している。 「『N.S.PRO 850GH』は『N.S.PRO 850GH neo』と違って、全体がしなりやすい。手元が二重のステップになっているので粘りがあってタメが作りやすいうえ、切り返しでヘッドが暴れないのが特徴です。全体がしなるので、つかまり&上がりやすさを確保しつつ、方向性も担保できるいいシャフトだと思います」 吉川氏が安田の14本を見て強調するのが、まさにアマチュアのお手本のセッティングだということ。「ヘッドは比較的やさしいものを選び、先が動くシャフトで振り感を揃えています。このままスライサーが使ってもいい、まさにお手本となるセッティングですね。これでボールがつかまってくると、効率のいいスイングになっているはずです」 スライサーの参考となる安田のクラブセッティング。真似してみたら練習場であれこれ試行錯誤していたことが解決するかもしれない。 【安田祐香のクラブセッティング】 1W:スリクソンZX5 Mk II(10.5度/アッタス KING 50S、45.5インチ) 3・5W:スリクソンZX Mk II(15・18度/Miyazaki CODEX KIRI 5S) 4・5U:スリクソンZX Mk II(アッタス MB HY 75 R) 6I~PW:スリクソンZX5 Mk II(N.S.PRO 850GH S) 48・52・58度:クリーブランド RTX6 ZIPCORE(N.S.PRO 950GH S) PT:オデッセイ トリプル・トラック TEN BALL:スリクソン Z-STAR ◆ ◇ ◇ ◇ 小祝の14本にはアマチュアのヒントとなる要素がいっぱい。関連記事【年間女王最有力候補・小祝さくらの14本を分析! 『テンセイプロホワイト』や『N.S.PROモーダス』を使うのはなぜか?】を読めば、その秘密がわかる。