暴力事件急増、ブラックマーケットの武器追跡に苦戦するエクアドル
エクアドルでは近年、銃の密輸の急増により、暴力犯罪や殺人事件が急増している。エクアドルでは昨年、殺人事件が約8000件発生しており、これは2020年のおよそ6倍だ。 暴力事件の急増により、闇市場での武器の取り締まりが強化され、ロイターは犯罪撲滅の重要な要素である、弾丸の追跡を取材する機会を得た。 国の鑑識部隊を率いるアルゲロ少佐は、2019年以降に押収された4万丁以上の銃のうち、追跡できたのはわずか900丁であり、捜査には時間がかかっていると述べた。 弾丸や銃の出どころを追跡することで、当局が銃の密売ルートを遮断するのに役立つという。しかし、2人の警察幹部によると、エクアドルは資金、鑑識のための機材、訓練を受けた人員の不足により、捜査に苦戦している。 首都キトの施設では、技術者が市内唯一の弾道用の顕微鏡をのぞき込み、4人の殺害に使用された5丁の銃の薬きょうと弾丸を分析していた。警察によると、エクアドルの人口1700万人に対してこの顕微鏡はわずか8台しかないという。 データによると、警察は昨年国内で1万丁近い銃を押収したが、その半数以上がリボルバーかピストルで、19年の押収数のほぼ2倍に上った。 警察によれば、追跡された銃の少なくとも4分の1は米国で合法的に入手されたものだが、エクアドルへの合法的な持ち込み記録は存在しないという。