<春よ光れ>’21センバツ・神戸国際大付 来月退任の内尾校長 最後の甲子園で校歌を 野球部長時代に4強 /兵庫
神戸国際大付の内尾徹校長(67)は教員として最後の甲子園に臨む。野球部長だった16年前のセンバツでは、ベスト4となり選手とスタンドが一体になった。3月末で校長を退く内尾校長は「決勝戦で選手、生徒らと一緒に校歌を歌いたい」と、3月19日の開幕を心待ちにしている。 1月29日夕、内尾校長は同校の会議室で大会本部からセンバツ出場決定の電話を受けた。2017年夏の出場以来3年半ぶりの甲子園に「生徒たちと、また応援できるのがうれしい」と笑顔を見せた。 大学卒業後、1976年に数学教師として同校に赴任。プレー経験はないものの、高校野球好きから2000年に野球部の部長を任され、練習環境の整備など縁の下でチームの強化に力を注いだ。 05年春の甲子園で駒大苫小牧(北海道)との一戦が強く印象に残っている。4点を先制後、米大リーグで活躍し、楽天に復帰した田中将大投手との投手戦となり、4―0で逃げ切った。内尾校長は「見応えのある試合で、ベンチから見ていて鳥肌が立った」と振り返る。次戦で愛工大名電(愛知)に敗れたものの、夏春の甲子園連覇を狙う強豪校に勝ち、選手らの達成感を肌で感じた。 スタンドの生徒たちも高揚していた。同じ垂水区にある神戸朝鮮高級学校のブラスバンド部員も助っ人として、大音量で選手を応援。内尾校長は「チームカラーの青色に染まったアルプスを見て感動した」と話す。 07年に部長を退き副校長となり、17年からは校長を務める。20年前、同僚から「強豪校が多い県内で、うちの学校が何度も甲子園に行くなんて夢物語だ」と言われた。だが今、チームは甲子園出場で満足せず、全国制覇を目指して練習に励んでいる。内尾校長は「元気にプレーする選手たちの姿を一試合でも多く見たい」と願っている。【中田敦子】 〔神戸版〕