<雄風を起こせ!・’22センバツ花巻東>選手紹介/8 万谷大輝投手/菊池興洋投手 /岩手
◇独特なフォームで翻弄 万谷大輝投手(2年・下小路中出身) エースナンバーを背負い、「ピンチで登板しても流れを持ってくる投球をする」と意気込む。 打者に少し背を向けるようにひねる独特な投球フォームで相手打線を翻弄(ほんろう)する。1年秋に取り入れたフォームだが、実は昨秋の県大会前にひねりのないフォームに変えたことがある。投球感覚が合わず、「変化球を思い通り使えなかった」と要所で精彩を欠いた。優勝したものの「投手陣が課題」(佐々木洋監督)と奮起を促される悔しい結果となった。 考えた末に元のフォームに戻し、試合を重ねるごとに安定感を取り戻した。東北地区大会の準々決勝と準決勝で完投し、チームメートから信頼される大黒柱に成長した。 投手の醍醐味(だいごみ)は「一人で投げきった時」という。その喜びをセンバツでも味わうため、投球練習に熱が入る。 ◇制球力向上へ投げ込み 菊池興洋投手(2年・遠野西中出身) 135キロの直球と数種類の変化球を駆使するサウスポー。カーブでカウントを取り、フォークや2種類のスライダーを決め球にする。 昨秋は制球に苦しむ試合が続いた。公式戦7試合に登板し防御率は5・06。明治神宮大会準決勝の広陵(広島)戦では、二回1死満塁のピンチで登板。「緊張してプレッシャーに負けた」とストライクが入らず、四球で押し出し降板するという結果に終わった。 花巻に戻ってから、「自分に負けていた」と練習との向き合い方を見直した。長距離の走り込みなど苦しい時こそ、あの試合を思い出し奮起する。 制球力を上げるため、この冬は1日200球ほど投げ込む。「背番号1を付けたい」とエースの座は諦めていない。自分の背中を見て野手が安心できる投手を目指す。=つづく