2023年１月に覚せい剤の１種であるアンフェタミンを日本に持ち込もうとして逮捕されたオーストラリア人女性、ドナ・ネルソン氏の裁判が千葉県の地方裁判所で始まった。ネルソン氏は22年の連邦総選挙で、西オーストラリア州ピアース地区から環境政党グリーンズ（緑の党）の候補者として出馬した経験を持つ。アンフェタミンの密輸については、オンラインのロマンス詐欺被害に合ったためと主張している。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。 　供述書によると、ネルソン氏はオンラインのデートサイトで知り合った「ケリー」と名乗るナイジェリア人のファッション実業家と１年半にわたり連絡を取り、日本で会う約束をしたという。ケリー氏はネルソン氏に対し、自身が展開する店舗で販売するためのスーツケースのサンプルをラオスで引き取ってから日本に来るよう要請。スーツケースには２キログラムのアンフェタミンが入っており、ネルソン氏は日本入国の際に成田空港で逮捕された。 　ネルソン氏は過去に２回、オンラインで知り合った男性に会うために海外を訪問した証拠を示し、真剣に交際相手を探していたことを強調。今回の事件はロマンス詐欺の被害が引き金になったもので、スーツケースの中身を認識していなかったと主張している。