ついに「宇宙旅行」も保険に入る時代に… 東京海上が取り扱い開始、保険料は
数百万から?
いわゆる一般庶民が気軽に宇宙に足を運ぶのは、もう少し先になりそうだが、気になるのはやはり、宇宙旅行保険の保険料ということになろうか。 吉井さんは「これまでの宇宙保険の分野で蓄積してきたノウハウなどを活用し、地上から宇宙空間へ、さらには宇宙空間から地上へ移動する際にかかるリスクを分析・評価し、個別の旅行形態などに応じて保険の引き受けを判断する」と説明する。これは、従来の人工衛星などに対する保険においても、仕様や用途が完全に異なるため、個別に保険を設計してきたことと同様だ。「こうした個別の設計のノウハウの蓄積が、宇宙旅行保険の設計にも役に立つといえると思います」と吉井さんは胸を張る。 宇宙への出発日から地上に帰還する日までに発生した障害により、旅行者が死亡あるいは後遺障害を生じた場合、あるいは海外までの渡航やその帰還も含め、治療が必要なけがや疾病が発生した場合に補償される、というのが基本だ。 「あくまでも個別の判断になりますが、保険料は数百万円から数千万円程度になるでしょうか」と吉井さんは解説する。ヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅行についてはすでに「ウェイティング(待機)」状態の人によるコミュニティーができているという。「当然ながら、現段階で宇宙旅行に申し込む人は少なからず裕福な方々であり、当然保険へのニーズもある」として、そのコミュニティーにアプローチするなどしているという。 米AXA XL社の集計によると、2000年以降のロケットでは、初号機の発射失敗率が3割を超える高い割合となっているのに対し、10号機段階ではこれが10~15%まで低減されるとのデータもある。成績の良いロケットだけを考慮に入れればリスクはさらに下がっていくとはいえ、飛行機に比べて桁違いに死亡事故率の高い自動車と比べても、比較にならない高さなのが実情で、宇宙旅行保険の保険料がこなれてくるには、まだ時間がかかるかもしれない。