法学部への入学が決まった息子。法曹志望らしいのですが、最も稼げるのは「裁判官」「弁護士」「検察官」のどれでしょうか?
法律にかかわる仕事は、数ある職種のなかでも年収が高く安定しているといわれます。法学部から裁判官・弁護士・検察官、いわゆる「法曹三者」を目指す方も珍しくないでしょう。 今回は、法曹三者のうちどの職業が一番稼げるのか、また法曹業界を目指すうえで気をつけるポイントについて解説します。
安定と伸びしろのどちらを選ぶかで違う
ここでは、法曹三者の年収について解説します。 ■裁判官と検察官は安定重視 裁判官と検察官は、国家公務員にあたる職種のため、給与体制が法律によって明確に定められています。裁判官の収入は「裁判官の報酬等に関する法律」によって明確な基準が定められています。同法律に基づいた裁判官の報酬月額は、以下の表のとおりです。
※e-Gov法令検索「昭和二十三年法律第七十五号 裁判官の報酬等に関する法律」を基に筆者作成 裁判官の昇級は、公務員と同じく、経験年数に応じて自動的に昇級する仕組みです。また期日手当や勤勉手当のボーナスも含めると、年収は判事補12号でも推定500万円が見込めます。 検察官の場合、月額報酬が俸給の形式で定められています。「検察官の俸給等に関する法律」に記載されている検察官の階級別収入は、以下の表の通りです。
※e-Gov法令検索「昭和二十三年法律第七十六号 検察官の俸給等に関する法律」を基に筆者作成 検察官が次の階級に進むには、一定の条件を満たしたうえで試験に合格する必要があります。 また俸給月額とは別に、勤勉手当や期日手当のボーナス・住居手当・通勤手当など各種手当てが支給されるため、実際の年収は検事20号でも推定600万円以上は見込めるでしょう。 ■弁護士は伸びしろがある 弁護士は裁判官や検察官と違い、国家公務員ではありません。収入に関しては実力主義の世界です。そのため、弁護士は人によって収入にバラつきがあります。 厚生労働省が運営する「職業情報提供サイトjobtag」によると、弁護士の平均年収はおよそ970万円とされています。実際は請け負う仕事の数や労働時間によって変動するため、数値以上の年収を獲得している人もいるでしょう。 このように弁護士は民間の仕事ですが、営業努力や評判次第で裁判官や検察官以上の年収が見込めます。