デブリ取り出し関連施設のスペース確保へ…タンク内の高粘性沈殿物の回収開始<福島第一原発>
東京電力は2025年1月9日、福島第一原子力発電所で解体を進めているタンクのうち「粘性の高い沈殿物」がたまって解体ができていなかった1基について、同日から吸引ポンプを用いて沈殿物を回収する作業に入ったと公表した。 2025年4月までに回収が完了する計画で、その後タンク内を除染し、12月までにタンクを解体するとしている。 このタンクがあるエリアには49基タンクがあったが、沈殿物がある1基のタンクを残してすべての解体が完了している。 残り1基のタンクの解体が完了してスペースが開いたあとは、2号機で実施されている燃料デブリの試験的取り出しの関連施設を建設する計画で、今後の廃炉作業を効率的に実施したい考え。 一方、第一原発で2023年8月から実施されている処理水の海洋放出に伴って空いた溶接型のタンクについては、早ければ2025年1月中に解体に着手する方針。 第一原発での処理水の海洋放出をめぐっては、2024年11月4日に通算10回目の放出が完了し、これまでに約7万8300トン、タンク78基分ほどが薄められて海に放出されている。 処理水放出の大きな目的の一つは、廃炉に向けて必要な施設を建設するためのスペースをあけることで、2025年はこの目的の達成のためにタンクの解体が開始される計画となる。
福島テレビ