高木豊が注目するセ・リーグ投打のルーキー DeNAの度会隆輝、巨人の西舘勇陽らの能力と期待を語った
高木豊が注目するルーキー セ・リーグ編 DeNAドラ1・度会隆輝がセ・リーグ史上初となる「新人選手による開幕から2試合連続本塁打」を放つなど、早くも各球団のルーキーたちに注目が集まっている。 【写真】DeNAチア、モデル、K-1ガールズ、管理栄養士etc.「注目レースクイーン19人」アップ&全身フォト(38点) かつて大洋(現DeNA)の主力選手として活躍し、現在は野球解説者やYouTuberとしても活動する高木豊氏が、注目のルーキーをピックアップ。まずはセ・リーグの選手たちの特長や、今後への期待などを解説してもらった。 【野手は社会人出身の逸材がズラリ】 ――まずセ・リーグからお聞きしますが、注目している選手はいますか? 高木豊(以下:高木) 度会隆輝(DeNA・ドラフト1位)は安定していますね。社会人でやっていただけであって、状況に応じたバッティングができています。たとえば、初回の先頭打者でなんとしても出塁するためのバッティングと、負け試合で最終回に打席が回ってきたときでのバッティングは全然違うじゃないですか。後者のようなケースでは、フルスイングでホームランを狙いにいったりする。"野球脳"がしっかりしている印象です。 ――技術面はいかがですか? 高木 やっぱりミート力があります。足は特別に速いわけではありませんが、盗塁ができるくらいは走力もありそうですね。オープン戦ではほぼ毎試合ヒットを打ってハイアベレージを残しましたし、シーズンでも期待できます。 ――他に気になったバッターは? 高木 開幕一軍スタートになった、佐々木俊輔(巨人・ドラフト3位)もいいですね。度会と同じように社会人出身だけあって、状況に合わせてバットを振っていける選手という印象です。オープン戦の打率もよかったですが、バッティングにしぶとさがあるんです。「なんとかバットに当てて転がそう」「ここは必ず引っ張ろう」とか、打席のなかでの意図を感じますし、首脳陣が使いたくなるバッターですね。
――同じく巨人で開幕一軍を勝ち取り、社会人出身の泉口友汰選手(ドラフト4位)はいかがですか? 高木 泉口はバッティングも守備もいいですし、即戦力です。打席に入っているときも守備位置についているときも、ルーキーらしからぬ落ちつきを感じます。巨人は本当にこの選手を獲ってよかったと思いますよ。現状では内野のバックアップという位置づけかもしれませんが、それがもったいないぐらいです。 門脇誠がショートのレギュラーでスタートしましたが、守備はよくても、バッティングでどうなるのか不安があります。それ次第では、泉口にチャンスが回ってくるでしょう。シーズン中に門脇からポジションを奪う可能性も十分にあると思います。 内野手でいえば、辻本倫太郎(中日・ドラフト3位)もチャンスはあると思うのですが、中日には同じようなタイプの野手が多いんです。どの選手も甲乙つけがたいというなかで、かなりアピールをしなければ一軍で試合に出るのが難しい状況です。 【投手はまだ能力を発揮できていないルーキーも】 ――ピッチャーで目に留まったルーキーはいましたか? 高木 やはり開幕一軍スタートになった、西舘勇陽(巨人・ドラフト1位)は面白いと思います。全部クイックで投げるのですが、自分の型を持っていますよね。球種も多彩ですし、調子が悪いときは悪いなりにごまかしが利きそうなピッチャーです。リリーフでも心強いですし、巨人は先発陣が少し頼りないので、将来的には先発ローテ入りなどもあり得るかもしれません。 松本凌人(DeNA・ドラフト2位)も面白いです。変則右腕なうえに球威がある。近年は、アッパー気味のスイング軌道のバッターが多いですが、変則のピッチャーは打ちにくいはず。重宝されるんじゃないかと思います。 ――松本投手の起用法に関しては、どう思われますか? 高木 最初はリリーフで使っていくんじゃないですかね。ゆくゆくは先発でいければ、と考えているかもしれません。 リリーフでは土生翔太(中日・ドラフト5位)もいいボールを投げていましたが、中日はリリーフの層がかなり厚いのでなかなか出る幕がなさそうです。ただ、変化球のキレもありますし、使えばそれなりのピッチングは見せてくれると思います。