全国高校バスケ長崎県予選 男子・長崎工2年ぶり、女子・島原中央は2年連続V
バスケットボールの第77回全国高校選手権(ウインターカップ)長崎県予選最終日は28日、長崎市の県立総合体育館で男女の準決勝、決勝が行われ、男子は長崎工が2年ぶり3度目、女子は島原中央が2年連続2度目の優勝を果たした。両校は全国大会(12月23~29日・東京)に出場する。 男子の長崎工は、決勝で長崎東を84-80で退けた。18-22で入った第2クオーターから反撃。ガード田川の連続3点シュートやフォワード福地のドライブなどでゴールを重ね、44-37で前半を折り返した。後半はセンター浅本の得点などでリードを広げた。長崎東も岩永や牧のフォワード陣を中心に追い上げたが、あと一歩届かなかった。 女子の島原中央は、決勝で県高総体Vの長崎西に62-58で競り勝った。第1クオーターは長崎西のガード今井らに8本の3点シュートを許して10点差をつけられたが、第2クオーターに猛追。センター・エザンギのゴール下などで、34-35と1点差まで迫った。一進一退の攻防となった後半は、粘り強い守備からフォワード水巻らが得点を重ね、4点差で振り切った。 ◎男子・長崎工 強い思い 途切れず 「先生を胴上げしたい」。主将田川の強い思いは、大会の3日間途切れることはなかった。長崎工が長崎東との接戦を4点差で制して2年ぶりの冬切符。表彰式後、「夢みたい。本当によく頑張った。こちらが意図することをきちんとやってくれた」と目を細めた寺田監督が、選手たちの手で何度も宙を舞った。 1月の県新人大会で優勝して以降、勝てない時期が続いた。4月の県春季選手権、6月の県高校総体はいずれも2位。3年生のフォワード福地は、高総体に敗れてからしばらくは「気持ちがまとまらなかった」。それでも、全員で高校の集大成である「ウインターカップ出場」という目標に気持ちを切り替え、練習に取り組んできた。 準決勝では、今季常に目指してきた「100点ゲーム」で創成館に快勝。長崎東との決勝も得意とする「走るバスケ」がさえた。序盤は相手の堅守に苦しめられたが、18-22で入った第2クオーター1分に、ガード田川の連続3点シュートで逆転。福地が速攻などから得点を重ねて7点リードで折り返した。後半もガード田川を起点に加点。県春季選手権決勝で6点差で敗れていた長崎東の猛追を振り切った。 2年ぶりに挑む冬の大舞台。2年前に1年生で唯一ベンチ入りしていた田川は「あのコートで、自分たちの代でバスケがしたいと思ってやってきた。長崎工らしいプレーをしたい」と待ち切れない。「全国でも変わらず100点ゲームを」と福地。全国で最高の仲間と、最高の試合を一つでも多く戦いたい。 ◎女子・島原中央 冬の全国 譲れない 終了のブザーが鳴り響くと、島原中央の選手たちは跳びはね、抱き合い、留学生のエザンギは膝をついて顔を覆った。「冬の全国だけは譲れない」。6月の県高総体で敗れてから5カ月。ここだけを目指してきた。長崎西に4点差で雪辱して2連覇を達成。フォワード水巻の頬に涙が伝った。 今季は1月の県新人大会、4月の県春季選手権を制した。しかし、県高総体は主力3人をけがで欠き、守備の甘さを露呈。決勝リーグで、優勝した長崎西に3点シュートを何本も決められて敗れた。悔し涙を「冬は負けたくない」という決意に変え、妥協せずに磨いてきた守備。チームは「ボールへの執着心、1点のこだわりが強くなった」(崔監督)。 長崎西との決勝。第1クオーターで8本の3点シュートを決められた。県高総体と同じ展開。だが、同じ過ちは繰り返さなかった。第2クオーターから走力を生かした守備でリズムをつくり、簡単に3点シュートを打たせない。攻撃では187センチのセンター・エザンギにボールを集めた。コンゴで応援してくれていた母親を1カ月前に亡くしながら、「チームのために日本に残る」と決断した留学生はゴール下を制し、1人で42得点を決めた。 初出場した昨年のウインターカップは何もできずに初戦で敗れた。だが「今年のチームはひと味違う」と水巻は胸を張る。培ってきた守備力は「全国1勝」をつかむための大きな武器。新たな歴史を刻むため、全国のコートでも走り回る。