伝説的少女漫画家・飛鳥幸子、どんな作家? 『怪盗こうもり男爵』『そよ風のマリー』の復刻版に注目
さまざまな分野のポップカルチャーを紹介する出版活動を展開する立東舎から、電子書籍レーベル「図書の家選書」シリーズ第1弾として、飛鳥幸子の漫画8タイトルが同時発売された。 【写真】少女漫画旋風を巻き起こした飛鳥幸子の名作が電子復刻!ラインナップを見る 今では読むことが困難になっている作品を主に取り上げ、電子書籍という形で、誰にでも気軽に作品に触れることができるようにしたいとの発案からスタートした「図書の家選書」シリーズ。第1弾のラインナップは、1966年、当時高校2年生で『週刊少女フレンド』(講談社)から漫画家デビューし、一躍人気少女漫画家となった飛鳥幸子の8作。 2019年には、単行本は長らく入手困難であり中古市場でも価格高騰していた飛鳥幸子の代表作、「怪盗こうもり男爵」シリーズが、立東舎から『決定版!怪盗こうもり男爵』として復刻し、同時に飛鳥幸子がX(旧Twitter)に登場したことで話題になった。 今回の電子化では、『決定版!怪盗こうもり男爵』を分冊化し、未発表習作など図書の家選書限定特典ページ付きの『怪盗こうもり男爵』や、“ベル・エポック”期における華々しいパリを舞台に1人の少女がファッションデザイナーとして活躍する『そよ風のマリー』、生きるとは何かを問う幻想ファンタジー『白いリーヌ』など計8冊だ。単行本描き下ろしだったため長きにわたり幻とされていた作品ばかりが並ぶ、豪華なラインナップとなっている。 多くの漫画家に影響を与えた少女漫画家・飛鳥幸子。当時の貴重な資料や解説もたっぷりの「図書の家選書」シリーズで、今こそその名作たちを再発見したい。 ■著者プロフィール 飛鳥幸子(あすかさちこ) イラストレーター、マンガ家。1949年2月5日富山県生まれ。本名・彼谷幸知子(かやさちこ)。 高校2年の時、講談社のマンガ賞に入選し、66年『週刊少女フレンド』16号掲載「100人めのボーイフレンド」でデビュー。同誌にて「白いリーヌ」「フレデリカの朝」などを連載し人気を得る。また高校時代から描き始めた「怪盗こうもり男爵」シリーズは代表作のひとつとなる。70年代は集英社や小学館などの雑誌で活躍したが、80年代にイラストレーターに転向。独特のセンスに魅了されていたファンの眼前から突然消えてしまい、その単行本は入手困難となった。 しかし2019年、立東舎より『決定版!怪盗こうもり男爵』が発行され、また飛鳥自身もX(旧Twitter)に登場、新作マンガ「LUNA」「エクソダス」「スターチャイルド作戦」をKindle にて発表し、旧来のファンを喜ばせた。なお、イラストレーターとしての仕事は「飛鳥幸子のホームページ」(https://s-asuka.sakura.ne.jp)で見ることができる。
文=リアルサウンドブック