東京都・市場問題PTが2回目の会合 建物の安全性について意見交換
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東京都は25日、豊洲市場への移転問題を話し合う市場問題プロジェクトチームの2回目の会合を開いた。小島敏郎座長ら同プロジェクトチームのメンバー8人に加え、設計を担当した日建設計の富樫亮常務ら、同市場の建物の安全性に疑問を呈する構造設計一級建築士の高野一樹氏が出席。同市場の建物の安全性について意見を交わした。
会合で、高野氏は、(1)水産仲卸売場棟4階の床に上乗せする「防水押さえコンクリート」の厚さが、構造計算時の10mmから設計図の段階では150mmに増え、重量も300kg/平方メートル増えたが問題はないのか、(2)水産仲卸売場棟1階で積載荷重が700kg/平方メートルとなっているが、強度に問題はないのか、(3)耐震設計上、地下ピットを含めた5階建と見なして設計すべきではないのか、の3点について、日建設計に説明を求めた。
これに対して日建設計は、(1)について、4階の下の床と梁はあらかじめ防水押さえコンクリートの厚みを150mmと見込んで設計しており、安全上問題はないと説明。(2)では、築地市場における仲卸売場の使用状況や東京都の資料をもとに積載荷重を検討しており、想定される荷重に対して余裕はあるとした。仮に、700kg/平方メートルを超える設備を配置しても、周辺設備が軽量の場合は荷重が分散されるので、やはり問題はないという。また、(3)は十分頑丈に設計しており、5階建とみなす必要はないとした。 日建設計の富樫常務は会合終了後、記者団の取材に応じ「私どもが設計した市場の安全性を確認していただけたのではないかと思う。市場関係者の皆さんには安心して使っていただける市場だと考えている」と述べた。小島座長は、(1)と(2)についてはおおむね安全性が確認できたとしたほか、(3)については、専門家同士の議論を継続する方針を示した。次回会合では、施設の機能や安全性について話し合う予定。 (取材・文:具志堅浩二)