世界的に有名な猫なのに日本ではアウェー、ガーフィールドが競合だらけの夏休み映画市場に殴り込み!
完全に子どもファーストな作品に違和感
あくまでメインの脚本を務めているのはポール・A・カプランとマーク・トーコブではあるのだが、この脚本家コンビは、もともとマイケル・J・フォックスの「スピン・シティ」などの王道コメディドラマの脚本を手掛けており、アニメの脚本経験は今回が初めて。その助け舟としてマークの盟友であるデヴィッドが参加したといったところだろう。 ガーフィールドの過去が描かれる「エピソード0」的内容ではあるが、アドベンチャー感を強くしたことで、完全に子どもファーストな作品となってしまっていることには違和感がある。しかし考えれば、子ども向けの作品なのだから、大人が勝手に楽しめないと言っているだけで、子どもが楽しめれば成功なのだ。 今やディズニーもポリコレの影響で新しいもの、新しいもの……と追及するあまり迷走してしまっており、いつしか子どもではなく、大人を意識してしまって、深刻なネタ不足状態のアニメ映画業界ではあるが、シンプルにファミリー映画としての安定感があることは間違いない。 それはそれとして、今作を日本のソニー・ピクチャーズが劇場公開したことには脱帽である。『恋するプリテンダー』(2023)のときもそうだが、普通に日本の需要を考えれば未公開スルー組の映画である。ただでさえ『怪盗グルーのミニオン超変身』や『クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』といった国内外の競合アニメ映画がひしめき合っている夏休みシーズンにぶつけてきたことは賞賛に値する。 【ストーリー】 飼い主のジョンに愛されて、“幸せ太り”な毎日を送ってきた家ねこのガーフィールド。親友の犬オーディと一緒に冷蔵庫の中身を空っぽにするまで大食いして、ほしいものは全部ジョンのお金でネットショッピング。食べることが大好きで、月曜日とお風呂が大嫌い!そんな平和な毎日だったのに…ある日突然、生き別れた父さんねこのヴィックが現れた!「悪いねこに追われているんだ。助けてくれ!!」そんなヴィックを救うために、ついにガーフィールドはしぶしぶながら家を飛び出すことに…! 【クレジット】 監督:マーク・ディンダル キャスト:クリス・プラット、サミュエル・L・ジャクソン、ハンナ・ワディンガムほか 日本語吹替版キャスト:山里亮太、MEGUMI、花江夏樹ほか 2024年/アメリカ映画/1時間41分/レイティング:G
バフィー吉川