細田守監督、4年ぶりの最新作「果てしなきスカーレット」25年冬公開!全世界配給も決定
細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」が2025年冬に全国公開されることがわかった(東宝/ソニー・ピクチャーズ)。国内興収66億円超えを記録した「竜とそばかすの姫」(2021)以来4年ぶりの新作。12月23日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた「全世界配給&製作発表会見」に細田監督が出席し、「いままでつくった作品の中で、一番大きな、生と死に踏み込んだようなテーマを扱っている」「生きづらい世の中、先行きの見えない世界で、それでも見る人に前を向いてほしいと思って、作っている」と語った。 会見では、“スーパーティザービジュアル”として、主人公であるスカーレットの姿が披露された。細田監督は「この女性が、スカーレットであります」と紹介し、「とある国の王女なんですけど、服もマントもボロボロ。腰に剣を携え、強い眼差しをもって、厳しい世界から果てしない希望の世界を見つけている。いままでつくってきた作品でも、最も困難でハードな環境にいる主人公なので、これくらいキリっとした表情をしていないと」と説明する。 それ以上の作品情報に関しては、「詳細は今の段階で多くを語ることできない。続報を待っていただければ」とけん制し、「冒険にアクション、ロマンス的なものもあって、皆さんにワクワク楽しんでもらえるエンタメとして、映画の魅力を表現する作品になれば」と期待をあおった。 お披露目されたビジュアルについては「一見、ストーリーボードやコンセプトアートに見えるかもしれませんが、この絵がそのまま動く前提で頑張っている」といい、「1作ごとに壁を乗り越えてきたが、今回の壁はルック(見た目)ですね。日本のセル画でも、ハリウッド的なCGアニメでもない、まったく新しいルックでアニメーションの可能性を広げたい」と意欲を燃やす。意気込みの背景には、前作「竜とそばかすの姫」で挑んだ手描きアニメとCGアニメの融合に対する、確かな手応えもあると語った。 世界基準の壮大なテーマ性、映像表現の革新という2つの大きなチャレンジに挑むことになった「果てしなきスカーレット」。細田監督は「いままでの枠を飛び越えて、難しいテーマを描き切る非常に大きな挑戦になる。ただでさえ大変なのに、(完成が)間に合うのかなって」と背筋を伸ばしていた。 本作は東宝が国内の配給を、そして、ソニー・ピクチャーズがアメリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジア(日本を除く)、中東、アフリカなどの国と地域での配給を担当することも発表された。スタジオ地図のプロデューサー、齋藤優一郎氏によると「このユニバーサルで力強い作品を、世界に届けるために、日本映画がやっていない新しい仕組みを作る必要性があった」といい、「共同配給だけではなく、ソニー・ピクチャーズさんが共同出資することで、全世界配給というスクラムを組む結果が出せた」「例えば、過去にスタジオジブリさんとディズニーさんが一緒に、アメリカ市場に開けた風穴を、さらに押し広げたい」と、グローバルな視点での展開に意気込みを語った。 同日、東宝は「果てしなきスカーレット」の製作発表に加えて、2025年配給予定の作品ラインナップを発表している。 【2025年 東宝配給作品ラインナップ】 「劇映画 孤独のグルメ」(1月10日公開) 「機動戦士 Gundam GQuuuuuuX ‐Beginning‐」劇場先行版(1月17日公開) ※東宝=バンダイナムコフィルムワークス共同配給 「アンダーニンジャ」(1月24日公開) 「ファーストキス 1ST KISS」(2月7日公開) 「劇場版 トリリオンゲーム」(2月14日公開) 「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」(3月7日公開) 「お嬢と番犬くん」(3月14日公開) 「少年と犬」(3月20日公開) 「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」(4月18日公開) 「#真相をお話しします」(4月25日公開) 「国宝」(6月6日公開) 「ドールハウス」初夏公開 「劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室 南海ミッション」(8月1日公開) 「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」(夏公開) 「隣のステラ」(夏公開) 「沈黙の艦隊 北極海大海戦」(9月26日公開) 「秒速5センチメートル」(秋公開) 「平場の月」(秋公開) 「果てしなきスカーレット」(冬公開) 「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」(25年公開) ※東宝=アニプレックス共同配給 「ブラック・ショーマン」(25年公開) 「チェンソーマン レゼ篇」(25年公開) 「踊る大捜査線 N.E.W.」(26年公開) 「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」(制作中) 「ゴールデンカムイ 続編映画」(製作決定) 「ゴジラ新作映画」(製作決定) ■2025年 東宝配給作品ラインナップ(新レーベルTOHO NEXT) 「Naniwa Danshi ASIA TOUR 2024+2025 '+Alpha' in SEOUL LIVE VIEWING」(1月12日15時開演回) 「ベルサイユのばら」(1月31日公開) 「ヒプノシスマイク Division Rap Battle」(2月21日公開) 「CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』大千穐楽ライブビューイング」(2月28日公開) 「映画しまじろう『しまじろうと ゆうきのうた』」(3月14日公開) 「怪獣8号 第1期総集編/同時上映『保科の休日』」(3月28日公開) 「劇場版総集編 呪術廻戦 懐玉・玉折」(5月30日公開) 「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE(仮題)」(25年公開) また、2024年の年間作品別興行収入も発表され、29作品(東宝)、13作品(TOHO NEXT)の配給で興行収入は910~920億円前後を見込んでいるという。初の900億円到達となり、東宝歴代最高を記録。現時点の年間興収1位は「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」の158億円。「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」が116.4億円、「キングダム 大将軍の帰還」が80.3億円と続く。10億円以上の作品は19本だった。