体脂肪が増えると…精巣を刺激するホルモンが減る テストステロンも低下 メタボや肥満症と一緒に予防、男性更年期障害
「日本人の場合、BMI25以上でテストステロン値が下がるというデータがあります。肥満の場合は、体重を適切に落とせばテストステロン値も正常に戻りやすくなります。もちろんメタボも、食生活の見直しで体重が落ちれば良くなりますし、テストステロン値も上がります」
体重を落とすために一念発起し、食事を減らしたり、ダイエット食品を取り入れる人もいるだろう。だが、食事だけで体重を落とすのはよくない。
「食事制限だけのダイエットは筋肉量を減らし、基礎代謝が下がるため痩せにくくなり、さらに食事制限を止めたときにリバウンドしやすくなります。筋肉量の減少に伴って身体機能が低下するサルコペニアにもつながり、テストステロン値も上がりにくくなるので注意が必要です。食事制限だけでなく、ウオーキングや筋力トレーニングなどの運動にも取り組むようにしましょう」
食事と運動、そして睡眠など生活習慣の見直しで、メタボや肥満症と一緒に男性更年期障害も予防できるのだ。 (取材・安達純子) =あすにつづく
■明比祐子(あけひ・ゆうこ) 新古賀病院糖尿病・甲状腺・内分泌センター長。1988年大分医科大学卒。福岡大学内分泌・糖尿病内科准教授などを経て、2015年徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター客員准教授(兼務)、23年から現職。