【LiLiCoのこの映画、埋もらさせちゃダメ!】“お涙頂戴映画”ではなく、ほのぼのしたハートフル感動作です『弟は僕のヒーロー』
TV『王様のブランチ』で2001年から映画コメンテーターとして出演するほか、マルチに活躍されているLiLiCoさん。これまでも数々の映画をナビゲートしてきたLiLiCoさんに、「これは絶対に観逃してほしくない!」という“埋もらせ厳禁”な映画について語っていただきます。 【全ての画像】『弟は僕のヒーロー』『無理しない ケガしない 明日も仕事! 新根室プロレス物語』
ご自身の偏見がないかどうか、気にかけていただけるとうれしいです
今回は公開中の2作品を紹介します。が、どちらも全国順次ロードショーですが、劇場を調べていただいて「ウチの近くでやってる」と気づいたときが観どき。じゃないと観逃しちゃいますよ。 まずは1月12日から公開されている『弟は僕のヒーロー』。ダウン症の弟を持つ原作者の大ヒットYouTube動画&エッセーを基にした感動作です。 イタリアの田舎町に暮らす5歳の少年ジャックは、弟のジョーが生まれたこと、そして自分がお兄さんになることに大興奮。ジョーが特別な子だ、ということを両親から聞かされていたジャックは、きっと弟はスーパーヒーローなんだ、と思い込みます。 やがて、その特別、という意味はダウン症だったことを理解していくジャック。彼は思春期の訪れとともに、弟の存在を周囲から隠すようになってしまいます。ところが、その嘘は、彼だけでなく町を巻き込む大騒動に……。 J-WAVEの番組『ALL GOOD FRIDAY』でも原作者のジャコモ・マッツァリオールさんをお招きしてお話をうかがいましたが、本当に素晴らしい作品。このテーマとタイトルだから、てっきりお涙頂戴の泣ける映画、かと思うでしょ? もちろん温かな涙はあるんですが、むしろほのぼのしたハートフル感動作なんです。主軸となるのは、ダウン症の弟ジョーの障がいではなく、ジャックの精神的成長。それを描くことで、兄弟ドラマになっています。 日本ではダウン症を障がい、と位置づける人が多いですが、私は違うと思っています。ダウン症は個性のひとつ。たしかにできることとできないことがあるシンドロームではありますが、ジョーのように物覚えが早いとか、さまざまな特徴があるんです。それもその人それぞれに。 この映画や『チョコレートドーナツ』のように、ダウン症の子どもが登場する作品をたくさんご覧になって、ご自身の偏見がないかどうか、気にかけていただけるとうれしいですね。