新品種の紅いも「サン 紅」

【本部】本部町備瀬で農業を営む仲宗根清正さん（76）の畑で、黄金（くがに）イモと紅イモの自然交配によって生まれたイモが新品種として登録された。新品種の名前は「サン　紅（べに）」。奇跡的に現象が重なったことで生まれたため、太陽が生んだ紅イモという意味を込めた。甘みが強く、焼き芋などに適しているという。年間約1トンを生産。今後、県内での栽培を広げていきたい考えだ。　　 　自然交配によって誕生した紅芋の新品種「サン　紅」 　 　仲宗根さんは2017年から紅イモの「備瀬一号」の生産を開始し、その後、黄金イモの「沖ひかり」を隣で栽培した。翌年、収穫する際、沖ひかりを育てている場所に、表皮が赤く光っているイモを発見したという。県農業普及センターへ持ち込むと新品種であることが判明。仲宗根さん自身で農水省に品種登録を申請し、現地調査などを経て、22年3月31日付で登録された。 →【うまい】太陽が生んだ紅イモ 「サン 紅」　生産者の声

　同品種は赤、白、紫色の3層構造で甘みが強いことが特徴。加工品としても利用できる。仲宗根さんによると、栄養素なども多く含有し、病気にも強いという。収穫時期は3月と8月ごろで、現在は本部町のもとぶかりゆし市場、名護市宮里のJAファーマーズマーケットはい菜やんばる市場などに出荷している。 　24日には地域住民などを招いた発表会があり、焼き芋やコロッケなど調理した「サン　紅」の試食会が開かれた。仲宗根さんは「沖縄の特産品として、多くの人に作ってもらいたい。全国に波及できればいいと思っている」と語った。 　（池田哲平）