車名はなんと「フェラーリ12気筒」! この最新スーパーカー、いったいなんなの?(小沢コージ)
最新の欧州排ガス規制「EU6e」をクリア済み
さらに12チリンドリが面白いのは、クラシカルな2人乗りのボディで、60~70年代の名作FRフェラーリ、365GTB/4デイトナに顔つきが似ている。伝説的な12気筒エンジンと伝説的なFRフォルムを纏った12チリンドリ(12気筒)。もしや今の電動化で、12気筒フェラーリも最後が見えてきており、それを惜しむオマージュであり、メッセージということなのだろうか? そう思い、旧知のスーパーカージャーナリストに聞くとこう返ってきた。実は今回搭載されている改良型F140型エンジンは最新の欧州排ガス規制「EU6e」をクリア済み。それどころか、今後さらに厳しくなる規制も突破できる見込みだとか。 つまり、この新改良V12気筒には未来が残されているわけであり、「逆にフェラーリは今後も12気筒フェラーリを作り続けるというメッセージかもしれませんよ」と。 昨今の電動化で、あのホンダまでエンジンから撤退するとか、逆にトヨタはカーボンニュートラル燃料の開発推進で、エンジンをなるべく絶やさない方向でいるとか、喧々諤々な内燃機関存続論。 フェラーリはフェラーリで己の「アートとしてのエンジン」を残したいはずであり、このクルマはもちろん、車名も含めて世界と戦っているのかもしれない。果たして5年後10年後、12気筒エンジンフェラーリは一体どうなっているのだろうか? (小沢コージ/自動車ジャーナリスト)