<甲子園交流試合・2020センバツ32校>組み合わせ抽選 天理、智弁学園 舞台整い気合新た 「実感わいてきた」 /奈良
◇天理VS広島新庄 喜んでもらえるプレーを ◇智弁学園VS中京大中京 決勝のつもりで頑張る 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 日本高校野球連盟(大阪市西区)で8日あった「甲子園高校野球交流試合」(センバツ交流試合)の組み合わせ抽選会で、県勢の天理(天理市)は大会第2日、8月11日に広島新庄(広島)と、智弁学園(五條市)は第3日の12日に中京大中京(愛知)との対戦が決まった。いずれも第1試合で、開始時間は午前10時の予定。【小宅洋介、萱原健一、林みづき】 新型コロナウイルスへの感染防止のため、抽選会は会場と全国の招待校をオンラインで結んで開かれた。対戦カードが決まると、天理の下林源太主将(3年)は緊張した面持ちで「支えてくださったいろいろな方に喜んでもらえるようなプレーをしたい」と抱負を述べた。また、智弁学園の白石陸主将(同)は「甲子園の常連校と試合をしたかったのでうれしい。決勝のつもりで頑張りたい」と意気込みを語った。 抽選会後、両主将は各学校で報道陣の取材に応じた。天理では中村良二監督も対応し、対戦する広島新庄の印象を「塁に出たらコツコツと送りバントで走者を進めて得点を取る。打撃力で勝負するうちとは正反対のチーム」と語った。下林主将は「甲子園が少しずつ近づいているんだと実感がわいてきた」と、一戦が待ちきれない様子。「チーム一丸で力を出し切りたい」と気合を入れた。 智弁学園では、白石主将が中京大中京との好カードに「対戦したかったチーム」と笑顔を見せた。「(相手は)投手がすごくいい。勝ちにこだわり、1球1球全力でプレーしたい」と決意を込めた。中京大中京とは毎年6月に交流試合をしているといい、井元康勝部長も「強いチームと当たってよかった。3年生にとっては最後の試合。いい形で終わらせたい」と話した。 昨夏の選手権大会では「何もできず悔しい思いをした」という佐藤尊将捕手(3年)は、毎日新聞の取材に「攻めの姿勢で挑み、支えてくれた両親に恩返ししたい」と語った。 両校の選手たちは、新型コロナに振り回されながらも甲子園への夢をつないできた。天理は3月のセンバツ開催中止決定の翌日から「夏」を見据えた。部内でマニュアルを作り、感染防止策を徹底。練習中は選手間の距離を取り、発声も控えた。5月には、夏の選手権大会中止の一報が流れたが「野球をやりきろう」と3年生を中心に結束、練習を重ねてきた。 一方の智弁学園は夏の選手権大会中止が決まると「気持ちが切れた」瞬間も。3年生は「引退」し、後輩とは別メニューの自主練習となった。しかし、センバツ交流試合の開催決定で雰囲気は一変。3年生も全体練習に復帰、気合を入れ直し、走り込みと振り込みで2週間かけてなまった体を戻したという。 夢の舞台で躍動する姿が見られるのも、間もなくだ。