加古川女児刺殺、逮捕へ 勝田容疑者、関与認める 当時市内居住、現場に土地勘か 兵庫県警
兵庫県加古川市で2007年、小学2年の女児=当時(7)=が刺殺された事件で、別の女児への殺人未遂容疑で逮捕された勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)が、兵庫県警の任意聴取に「女の子を刃物で刺した」と関与を認める供述をしていることが、捜査関係者への取材で分かった。県警加古川署捜査本部は、別の女児に対する殺人未遂事件の勾留期限となる27日に、殺人容疑で逮捕する方針。 【図表】加古川女児殺害事件の経緯 小学2年の女児は07年10月16日午後6時ごろ、加古川市別府町の自宅周辺で、何者かに胸などを刺されて死亡した。県警は、同署に捜査本部を設置して殺人容疑で調べを進めたが、物証や目撃証言が乏しく捜査は難航。17年間にわたって容疑者の特定に至っていなかった。 捜査関係者によると、類似事件の捜査の過程で、岡山県津山市の女児刺殺事件で無期懲役判決を受けて服役していた勝田容疑者が関与した疑いが浮上。今年5月末ごろから、兵庫県警の捜査員が任意の聴取を重ねたところ、加古川市の女児殺害への関与を認めたとされる。 勝田容疑者は、06年9月にたつの市で小学4年の女児=当時(9)=が刃物で刺されて重傷を負った事件への関与も認め、県警は今月7日、殺人未遂容疑で逮捕。20日間の勾留期間の終了に合わせて、加古川市の女児への殺人容疑でも逮捕する方針を固めた。 勝田容疑者は当時、同市内に居住しており、県警は現場に土地勘があった可能性もあるとみて慎重に調べる。たつの市の女児に対する殺人未遂事件については、逮捕後の調べに「女の子を刃物で刺したことに間違いない」と行為を認める一方、「殺すつもりはなかった」と殺意を否認しているという。 【加古川の小2女児刺殺事件】2007年10月16日午後6時ごろ、加古川市の小学2年の女児=当時(7)=が自宅から約500メートル離れた公園から自転車で帰宅直後、左胸と腹を刃物で刺され、搬送先の病院で死亡した。司法解剖で失血死と判明。兵庫県警は殺人容疑で加古川署に捜査本部を設置。これまでに捜査員延べ5万人以上を投入し、捜査を続けていた。女児は搬送時、刺したのは「大人」「男」と救急隊員に話していた。