ソニーはどのようにカセットテープ業界を牽引してきた? 懐かしさと魅力を再発見する一冊の気になる内容
2024年6月18日、株式会社双葉社から『ソニー・カセットテープ・マニアックス』が発売された。この一冊は、カセットテープが音楽メディアの主流だった1970~80年代において、業界を牽引したソニーのカセットテープの全歴史を網羅している。 【写真】AHF、BHF、Metal-ES……懐かしのカセットを写真と共に振り返る カセットテープの黎明期からトップランナーとして業界をリードしてきたソニーは、オーディオ機器メーカーとしても名を馳せ、その製品は多くの音楽ファンに愛された。本書では、ソニーの多彩なカセットテープモデルとともに、当時の代表的なウォークマンの数々を紹介し、その50年にわたる栄枯盛衰を詳細に振り返る。 本書は、まず「ソニー・カセットテープギャラリー」で幕を開ける。ここでは、カセットテープ本体やパッケージ写真を豊富に掲載し、メタルテープ、ハイポジションテープ、ノーマルテープなどの各モデルの魅力を存分に味わうことができる。たとえば、Metal-ESやSuper Metal Masterなどの高音質を誇るメタルテープ、CHROMI CASSETTEやUX-PROといったハイポジションテープ、そしてHFやBHFなどのノーマルテープの詳細が、写真とともに紹介されている。さらに、「ソニーカセット・オーバーシーズ・モデル」では、北米や欧州など世界中で販売された、日本国内とは異なるモデルにもスポットを当てている。これらの海外モデルは、国内製品とは一味違った魅力を持ち、グローバルな視点でソニーのカセットテープの魅力を楽しむことができる。 また、「ウォークマンでお気に入りカセットを聴いていたあの頃」では、カセットテープコレクターとともにウォークマンが彩った日常を振り返り、懐かしさとともにその魅力を再発見することができる。「ソニー・カセットテープの歴史」セクションでは、1950年から2016年にわたるソニーカセットの歩みを詳しく解説。この歴史的な背景を知ることで、ソニーがどのようにしてカセットテープ業界をリードしてきたのか、その秘密に迫る。 さらに、女優の藤田朋子やラジカセショップ主宰の松崎順一へのインタビューも掲載されている。藤田は「ソニーといえばおしゃれなものだった」と語り、松崎は「BHFの緑メタリックがかっこよかった」と当時の思い出を振り返る。「ソニー・カセットテープ・アドバタイジング・ギャラリー」では、当時の雑誌に掲載された広告群を通じて、ソニーブランドの広がりを俯瞰し、その時代の空気感を感じ取ることができる。 『ソニー・カセットテープ・マニアックス』は、カセットテープファンやソニー愛好者にとって必見の一冊。懐かしの時代を彩ったソニーのカセットテープとその魅力を、この本で存分に味わってみては。
リアルサウンド ブック編集部