猛暑商戦、平年よりも早く 各社も準備に〝汗〟 エアコン、冷感着、コンビニ麺が好調
今年の夏も平年より気温が上昇する見込みとなり、猛暑による熱中症が懸念されている。4月から続いた夏日に牽引され、エアコンなどの家電製品や清涼感を得られる衣類、食品、飲料などの販売は昨年を上回っており、〝猛暑商戦〟が一足早く始まった形だ。これから暑さが厳しくなるのを前に、メーカー各社は既に準備に汗をかいている。 【写真】赤城乳業のアイスキャンデー「ガリガリ君」 ■売り場の目立つ場所に ヨドバシカメラ新宿西口本店(東京都新宿区)の家電売り場では、エアコンや扇風機がひときわ目立つ場所に配置され、「今年の夏も猛暑の予測」と書かれた看板が掲げられている。 同店家電コンシェルジェチームの吉留大介グループリーダーは「今年はいつもより動き出しが早く、5月第5週のエアコンの販売は平年より2~3割増えている」と説明する。6月に電気料金が値上げされた影響で、省エネ型のエアコンの販売が伸びているという。 コンビニ大手のファミリーマートでは暑さで食欲のない時でも食べやすい冷やし麺の売り上げが好調で、5月第4週の売り上げはリニューアル前の第2週に比べて1・7倍に拡大した。今夏の商戦では麺商品を昨年よりも4種類増やす。 ■昨年の5倍以上準備 紳士服販売チェーン「洋服の青山」を展開する青山商事はスポーツ用品メーカーのミズノと共同開発した「ミズノアイスタッチムーブパンツ」を5月に発売した。特殊素材を採用し、夏場でもヒヤッと冷たい清涼感が特徴だ。夏の猛暑を見込み、青山商事はこうした接触冷感スラックスを昨年の5倍以上準備している。 ミズノでも4月から、独自素材の冷感・即乾の肌着や野球のアンダーシャツなどの販売が伸びている。今夏は猛暑対策品が売れると想定し、これらの商品に加え、水に浸して涼しさが感じられる帽子などのラインアップを拡充する予定だ。 ロングセラーの人気アイス「ガリガリ君」を販売する赤城乳業もアイスの売り上げが4月は前年同月比20%増で、5月も5%増と好調だ。「現在も工場はフル稼働で、できる限り生産したい」(広報)という。 キリンビバレッジも熱中症対策飲料として訴求する「世界のKitchenから ソルティライチ」シリーズの5月の出荷量が前年同月比3割増となった。4年ぶりにパッケージをリニューアルして「おいしく、こまめに塩分・水分補給」のコピーを前面に出す。