アップルはまだ金融サービスに興味がある…「後払い」を終了して年内に新機能を提供(海外)
アップルは6月17日、アメリカで提供していた決済サービス「Apple Payで後払い」を終了すると発表した。 2024年内には「Apple Pay」の新機能が提供される予定だ。 この動きは、アップルが依然として金融サービスの提供に関心を持っていることを示している。 アップル(Apple)は、これまでの金融サービスを覆すような最善の方法を見出すのに苦労しているようだ。 同社は2024年6月17日、アメリカで提供していた決済サービス「Apple Pay Later(Apple Payで後払い)」の終了を発表したと9to5Macが伝えている。このサービスは2023年3月に始まったものだった。 これに代わって、アップルは2024年内にリリースされるApple Payの新機能で勝負しようとしている。その新機能とは、「クレジットカードやデビットカードを用いたローン」などのことをいう。 アップルは「この新しいローンのグローバルな提供開始に伴い、アメリカではApple Pay Laterのサービスを終了する」と9to5Macに宛てた声明で述べている。 2024年内の新サービス展開の計画は、ユーザーのエコシステムに金融サービスを提供するという同社の真剣な野心を示している。 アップルはここ数年、数十億ドル規模のサービス部門の構築に追われている。「Apple TV+」でエンターテインメントを楽しんだり、「Apple Health」でフィットネスマーカーを把握したりといった、デバイスに接続されたユーザーのあらゆるデジタルニーズに対応しようとしている。 ユーザーの金融的なニーズに対応したサービスを提供するというティム・クック(Tim Cook)CEOの野心は、大胆なようだが理解できるものだ。 とはいえ、今回のApple Pay Laterの終了のように、アップルが機能を廃止することはめったにないことだ。これは、同社がユーザーからの支持を得る金融サービスを開発するのに苦労していることの表れだろう。Apple Pay Laterとは、購入額(50ドルから1000ドルまで)を4回払いに分割し、6週間にわたって無利息で支払うことができるというものだった。 金融サービスに関してアップルの野心が打撃を受けたのは、これが初めてではない。 アップルはゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)と提携し、2019年にアップルブランドのクレジットカードサービスを開始、2023年には「ハイイールド預金口座」の提供を始めた。だが2023年末にはその提携が危ぶまれていると報じられた。 アップルが新たな金融サービスのパートナーを探すかどうかは不明だが、その可能性は低いようだ。 Business Insiderはアップルにコメントを求めたが、回答は得られていない。
革新的なものを生み出すのは難しい
アップルの金融サービス分野での苦難は、既存の業界を覆そうとするときに直面する重大な課題を浮き彫りにしている。 アップルはこれまで、iPodやiTunesで音楽業界を大きく変えたり、iPhoneで新たな電話を発明したりと、業界がうらやむような革新的な実績を打ち立ててきた。しかし、最近の同社のイノベーションは、それと同じレベルには達していない。 例えば、複合現実(MR)ヘッドセット「Apple Vision Pro」は、売れ行きが伸びず、評価も中途半端なものだった。さらに、2024年2月には、10年近く取り組んできたEVプロジェクトを終了すると発表した。
Kwan Wei Kevin Tan,Hasan Chowdhury