米格安航空スピリット、債権者が「トリプルディップ」戦略活用を計画
(ブルームバーグ): 米格安航空会社スピリット航空の社債保有者は、30億ドル(約4500億円)超に上る借り入れを同社がやり繰りできるかますます不安を募らせており、債務が返済されなくなった場合に大幅な損失を回避できそうな戦略の策定を進めている。同社は米同業ジェットブルー・エアウェイズとの統合計画が中止となった経緯がある。
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一部の債権者から「トリプルディップ」と呼ばれるこの計画は、2020年の起債で同社が講じた一連の措置の活用を目指すものだ。当時、一部の部門がスピリット航空のロイヤルティープログラムや知的財産を担保にした債券を発行。債券を保証した親会社に、債券発行で調達した資金を提供した。
関係者によると、この取引の仕組みはいわゆる「ダブルディップ」の構成に似ている。ダブルディップでは経営難に陥った企業が自社資産に関連する二つの請求権を貸し手に与える代わりに、新たな資金調達を手助けするというものだ。
スピリットの場合、社債保有者は同社の保証、インターカンパニーローン、ロイヤルティープログラムーおよび関連資産という三つの請求権の確保を考えていると関係者は指摘する。トリプルディップに司法判断が求められたことはまだないが、ダブルディップの債権者は過去の経営破綻で最終的に回収率が改善した。
同社は25年と26年に10億ドル強の債務が返済期限を迎える。債権者との協議に先立ち、アドバイザーを起用している。
米格安航空スピリット株急落、財務改善努力表明も投資家に響かず (1)
スピリットの担当者はコメントを控えた。
原題:Spirit Creditors Plot ‘Triple-Dip’ Strategy as Carrier Sputters(抜粋)
--取材協力:Mary Schlangenstein、Eliza Ronalds-Hannon.
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Reshmi Basu