【MLB】ワールドシリーズに出場する2球団のロースター構成 ドジャースは外部からの補強に依存する傾向
ヤンキースとドジャースが対戦する2024年のワールドシリーズは日本時間10月26日に開幕する。米公式サイト「MLB.com」で主にプロスペクト(若手有望株)の情報を担当するジム・キャリス記者は、ワールドシリーズの両球団のロースター26人を予想したうえで、両球団のロースター構成を分析。生え抜き選手はヤンキース6人、ドジャース7人で大きな差はないものの、データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出している総合指標WARを見ると、ドジャースは他球団から獲得した選手に依存している傾向が顕著となった。 熱戦が続くポストシーズンの日程・結果一覧 ヤンキースが前回世界一となった2009年は、デレック・ジーター、アンディ・ペティット、ホルヘ・ポサダ、マリアーノ・リベラの「コア4」にA・J・バーネット、ジョニー・デイモン、CC・サバシア、マーク・テシェイラ、アレックス・ロドリゲスといった「外様」がうまく融合したチーム構成だった。 一方、ドジャースが前回世界一となった2020年は、クレイトン・カーショウ、コディ・ベリンジャー、コリー・シーガーといった「生え抜き」の選手たちがチームを牽引。しかし、近年のドジャースは傘下のマイナー組織からスター選手を輩出できておらず、資金力を生かした外部からの補強に依存する傾向が強まっている。 ワールドシリーズの予想ロースター26人の構成は以下の通り。 ヤンキース ドラフト4人・国際アマチュア2人・トレード13人・FA7人 ドジャース ドラフト5人・国際アマチュア2人・トレード9人・ウエーバー2人・FA8人 ドジャースがウエーバーで獲得した2人(エバン・フィリップスとブレント・ハニーウェル)を戦力にしていることを除けば、入団経緯の面ではそれほど大きな違いはないと言える。 しかし、各選手が今季記録したWARを見てみると、両球団の違いは顕著になる。 ヤンキース(合計45.7) ドラフト(18.6)・国際アマチュア(1.3)・トレード(19.5)・FA(6.3) ドジャース(合計44.8) ドラフト(5.2)・国際アマチュア(1.4)・トレード(13.2)・FA(25.0) ヤンキースはアーロン・ジャッジやフアン・ソトの存在もあり、ドラフトとトレードで入団した選手の割合が大きくなっている。一方のドジャースは大谷翔平の活躍もあり、FAで入団した選手がチーム全体のWARの過半数を占めている状態だ。ドラフトで入団した選手の合計WARは5.2に過ぎず、シーガーやベリンジャーを輩出した時期と比較して、自前のスター選手を育てられなくなっていることが読み取れる。また、今季のドジャースに関して言えば、ジャック・フラハティ、マイケル・コペック、トミー・エドマンなど、トレードで獲得した選手の貢献が大きいことも忘れてはならないだろう。 生え抜きのジャッジとFAの大型契約で移籍した大谷は、ある意味で現在の両球団のメンバー構成を象徴する存在と言えるかもしれない。対照的な2球団が激突する今年のワールドシリーズは、どんな結末を迎えるのだろうか。