分断と対立の現代。共生社会実現のヒントは江戸時代にある? 「宇宙人と戦う前に考えてほしいことがある」と歴史学者
3千人を超える浦上のキリシタンが流罪になり6百人以上が死亡した弾圧は、幕府ではなく明治政府によって行われた。 ▽人間同士が争っている場合ではない 日本史学者の大橋氏に、あえて現在の国際政治の問題点や打開策はないだろうかと聞いてみた。 大橋氏は、国家や民族、宗教といった異なる属性を優先すると必ず分断や対立が起きると指摘して「毎日、暮らしをしないといけない生活者という共通の属性を優先する必要がある」と話した。 エイリアンの侵略に対して地球人が結束して戦う映画「インデペンデンス・デイ」を見て思うところがあったという。 今、地球人が国家や民族、宗教を超えて結束して戦うべき相手は、気候変動や原子力発電所、核兵器など人間が生み出した矛盾そのものではないかと感じたと話す。 「江戸時代の人が村民として結束していたように、地球人という属性を優先して協力しないといけない。多くの人が生活者の視点に立ち、相手の生活も尊重する。隣の人の朝ご飯にも、ゆで卵があったらいいなと思えるかどうかが重要です。地球の上で人間同士が戦っている場合じゃないと常に思っています」