【とっておきメモ】阪神近本光司、最後までグラウンドに立ち続ける理由とは
＜とっておきメモ＞ ＜阪神5－4中日＞◇27日◇甲子園 阪神近本光司内野手（29）が今季3号の逆転2ランを放った。 【動画】虎党歓喜！阪神近本光司が逆転弾 1－2の5回、今季2度目のスタメン起用の8番小幡竜平内野手（23）が中前打で出塁。続く9番大竹耕太郎投手（28）が犠打で1死二塁の好機をつくった。ヤクルト先発サイスニードの4球目、内角高めの直球を完璧に捉え、右翼スタンドに運んだ。 ◇ ◇ ◇ 近本はどんな試合でも、最後までグラウンドに立ち続けることに大きな意味があると思っている。「この試合しか見に来られない人もいると思うからね」。自らも幼少期に甲子園に足を運んだ。ハッキリ覚えているわけではないが、一瞬、一瞬が宝物だった。大人になった今、思うことも増えた。「本物を生で見るのはやっぱり全然違う。プロのスポーツってこういうものなんだって、生で見ないと分からない」。 だから2年前、鹿児島・沖永良部島から京セラドーム大阪での試合に招待した子どもたちから「なんでこんなに大きい建物がドームになっているのか」と手紙をもらった時は、うれしかった。「気づいてもらいたいところでもあったので。人生においてすごく大事な経験」とかみしめる。 この日はゴールデンウイーク初日。4万2588人のファンで埋まったスタンドには「一生に1度の甲子園」だった人もいるかもしれない。プロの技を詰め込んだ極上の一撃が心の土産になれば、近本にとって、これ以上うれしいことはない。【阪神担当＝中野椋】
