春の暖気で週末からスギ花粉が本格飛散へ 飛散開始していない地域でも念入りな対策を
花粉の飛散開始日とは
花粉の飛散開始がいつなのか、気になる方も大勢いらっしゃると思います。 「花粉の飛散開始日」とは、スギの花の開花日ではありません。1月以降、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を、2日連続して観測した最初の日を、その観測地点の「花粉の飛散開始日」としています。 (上の図にある花粉飛散開始例の3日目や6日目のように、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を観測しても連続していなければ飛散開始とはなりません。この場合、2日連続して観測した最初の日である9日目が「飛散開始日」となります。) そのため、「花粉の飛散開始日」よりも前でも、気温の高い日などは、1平方センチメートルあたり1個未満という少量の花粉が飛び始めていることもあります。敏感な方は、わずかな花粉でも、症状がでることがありますので、注意が必要です。 「花粉の飛散開始日」前だから、と油断しないで、早めに対策を、心がけてください。
花粉が飛びやすい条件
花粉が飛びやすい条件には、大きく3つあります。 ①「晴れて気温が高い日」 スギの雄花は気温が上がると花が開きやすくなります。さらに、晴れて気温が高い日は、上昇気流が発生しやすく、花粉が舞い上がりやすくなります。 ②「空気が乾燥して風が強い日」 湿度が高いと、花粉が湿気を吸って重くなるため、遠くまで飛びにくくなります。一方、空気が乾燥して風が強い日は、都市部から離れた森林からも花粉が飛んできやすくなるため、いっそう注意が必要です。 ③「雨の翌日以降や気温の高い日が2~3日続いた後」 雨の翌日以降は、雨の日に飛散しなかった分と、その日に飛散する分が重なって、より多くの花粉が飛びやすくなります。さらに、雨で地面に落ちた花粉が舞い上がることもあり、いっそう飛散量が多くなるといわれます。また、気温の高い日が2~3日続いた後も花粉がより多く飛びやすくなります。 花粉症の方は、毎日の天気予報をチェックして、花粉に備えてください。
日本気象協会 関西支社 藤川 徹