いま全国の音楽ホールで改修・長期閉館が相次ぐ異常事態に…!経験者1000万人「吹奏楽大国」日本が直面している「厳しい現実」
首都圏でも「他人ごと」とはいえない事態に
バブル期の昭和末期、平成初期に建設されたホールが多い各県でも、老朽化による「音楽ホール不足問題」は他人ごとではない。首都圏でも、東京都会場の「府中の森芸術劇場」が改修で一時閉館(2024年は「江戸川区総合文化センター」で開催)。また「神奈川県民ホール」が来年から改修休館のため、コンクール会場も変更を迫られそうだ。 『響け!~』にも幾度となく登場した「京都コンサートホール」も改修の検討に入っており、市債発行と公債基金の取り崩しを繰り返してきた京都市が費用を捻出できるかは、あまり楽観視できない(なお、財政難の原因はおもに「地下鉄延伸による借金」)。 じつは、日本は「現役部員で100万人、経験者は1000万人」とも言われている吹奏楽大国だ。共同作業で作り上げた音楽を、正しい音響で響かせることができるホールは、多くはなくとも1県に1ヵ所は維持していきたいところ。 ただし、各地の音楽ホールは稼働率が低い場合も多い。吹奏楽部のあり方も、青春を一辺倒に賭けたコンクールだけでなく、コンサートや発表会、動画サイトの収録などで、年間を通じた活動を考えても良いかもしれない。通年で音楽を楽しみ、学ぶ人が増えればホールの稼働率も上がり、施設存続への道筋もつくだろう。
宮武 和多哉(ライター)
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