櫻坂46・藤吉夏鈴、初主演映画で涙の舞台あいさつ 監督からの手紙「戦友です」
この日は仕事の都合で不在だった小林監督だが、登壇者たちに内緒で監督からの手紙が送られることに。そこには、藤吉がはじめて会うタイプの俳優なので、どう演出したらいいのか。下手に演出すると個性をつぶしてしまうのではないか……と考えたことなど、正直な思いがつづられていたが、リハーサルや本読みを重ねていくうちに藤吉のポテンシャルに気づいた小林監督は、責任と覚悟を持って演出をしようと決意。そのため、語気や目線、テンポなどをかなり細かく指摘したという。
「主役という重圧や、慣れていない環境でかなり不安だったと思いますが、藤吉さんは、要求にひとつひとつ真剣に答えてくれました。決して器用なタイプではないと思いますし、つらかったと思います」と藤吉を手紙でねぎらった小林監督。その甲斐あって「藤吉さんの頑張りで、唯一無二の主人公像ができあがりました。一見、演技なのか、素なのかわからない、奇跡的な演技は偶然生まれたのではなく、藤吉さんの努力の結晶です。すべて計算された演技です。すごいことだと思います」と称賛。「藤吉さんとご一緒できて本当に良かった。僕にとって藤吉さんは戦友です。役者・藤吉夏鈴の今後が本当に楽しみです。本当に、本当にありがとうございました」と感謝の思いがつづられていた。
その手紙の言葉を聞くうちに涙があふれ「今日は泣く予定じゃなかったのに……」と語った藤吉。そして言葉を詰まらせながら、それでも振り絞るように「この映画を作っているときは、暗い部屋の中にいるような感覚になることが何度もありました。でも監督と皆さんと、ひとつの作品を作ることができて、今振り返ると、すごく幸せでしたし、完成した作品を観た時にいとおしかったです……」と語り、「監督に会いたいです」と感謝の思いを付け加えた。(取材・文:壬生智裕)
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