王者が強化本部会議を開いて対策を検討…早田ひな&平野美宇は「パリ五輪で中国を圧倒」する!
まさに死闘だった。 2月24日に韓国・釜山(プサン)で行われた世界卓球選手権(団体)女子の決勝で、日本代表は、5連覇中の絶対王者・中国を相手に最終第5試合にまでもつれ込む大接戦を繰り広げ、銀メダルに輝いた。 【画像】「よっしゃー!!」とガッツポーズ 日本のエース・早田ひな…! 「惜しくも敗れましたが、早田ひな(23)が世界ランキング3位の陳夢(ちんむ)(30)を、平野美宇が同2位の王藝迪(おうげいてき)(27)を撃破したことは日本卓球界にとって大きな収穫です。世界選手権で中国に2勝できたのは、過去10年で今回が初めてですから」(スポーツ紙デスク) 今回の快挙は、決して偶然ではない。幼少期から頭角を現した天才・平野と、東京五輪でリザーバーを経験しながらも日本女子卓球界の絶対的エースに成長した苦労人・早田。この二人の目覚ましい進化による必然だったのだ。卓球コラムニストの伊藤条太氏が話す。 「これまで、格上の中国選手と試合をする日本勢は、台の端を狙いすぎたり、チャンスボールではないのに無理に決めに行ったりと、実力差を覆すためにリスクを冒す戦略を選択することが多かった。以前までの日本人選手は普通にやっていては打ち抜けなかったからです。ところが今回の早田、平野の打球は速さも回転数も、中国選手にまったく引けを取っていませんでした」 とくに、平野の進化が著しい。世界一とも称されるバックハンドを武器にのし上がってきた彼女が、新たな武器を手に入れたのだ。 「フォアハンドのスピードを出すため、体幹トレーニングと反復練習を重ねました。その甲斐あって今回、平野は王をバックハンドばかりかフォアハンドでも圧倒し、3-0で完封したのです」(伊藤氏) この熱戦が、最強の卓球帝国にも火をつけたことは想像に難くない。 「中国の卓球関係者は、今大会を『実質的な敗戦』と位置づけています。強化本部がすぐさま数日間に及ぶ会議を開き、メンバーの入れ替えやコーチ陣の解任まで噂されています。王者のプライドを懸け、夏――五輪に向けて死に物狂いで練習に励むでしょう」(前出・デスク) もちろん、パリ五輪に照準を合わせているのは中国勢だけではない。早田、平野、そして15歳の張本美和が今大会で自信をつけ、さらに自らを追い込みながら虎視眈々と世界一の座を狙っている。 「現在の戦力を考えれば、日本代表はパリで中国代表と五分の戦いができるはずです。早田、平野らが中国勢を下し、個人戦で表彰台に上がることも十分に考えられます」(前出・伊藤氏) 世界卓球の悔しさをバネに、日本卓球界のWエースはパリで中国を圧倒する。 『FRIDAY』2024年3月15日号より
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