旅や街でも使える! スノボの最高峰のギアは「めちゃ優れもの」だった
学生時代からスノーボード一筋だった筆者。加齢とともに、年々滑走時間より温泉時間が増え、新しいギアやウェアへの情報感度も下がるばかり。 【写真】アウターに目がいきがちだが、実はインナーも大事。写真は、高機能スポーツウェアブランド「Odlo(オドロ)」とのコラボ、「[ak] スローカー メリノ ベースレイヤー クルーネック」。メリノウール素材に加え、体にピッタリ沿うフィット感が特徴 でも、これは特殊な話ではなく、例えば仕事で時間が取れない、家族との時間を優先するなど、同じ状況の読者は少なくないのでは。 実は先日、スノーボードブランド・バートンの「[ak]シリーズ」の最新モデルを見る機会がありました。同シリーズは今どんな進化をしているのか? 筆者のように情報をアップデートできていないスノーボーダーへ、最新ギアを少し紹介したいと思います。 バートンの最高峰 [ak]は「トップレベルのスノーボーダーのみ滑ることができる」アラスカ州の略称。スノーボードの神こと故クレイグ・ケリーが、その美しいライディングを見せてくれた「特別な場所」として筆者の脳裏には刻まれています。 その名前を冠し、バートンの中でも最高峰の機能性とデザインを追求したプロダクトだというのは今でも変わらないようです。 まずは今のスタイルのトレンドをバートンジャパンでPR担当を務める石原公司さんに伺いました。 「今の若いライダーたちは国内、国外問わずダボダボしたシルエットのウェアがトレンドです。まさに90年代のスタイルが今また戻ってきていますね。一方、[ak]は無駄をそぎ落としたスッキリしたデザインが特徴。最高峰かつミニマムを具現化しています」 インナーは大事 ミニマムに関すると、例えばポケットの数は最低限ですが、これは動きやすさに加えて、バックカントリーでバックパックを背負って行動するという状況を鑑みてのことだと言います。 そんな同シリーズで、まず筆者の目に留まったのはインナーウェア。スノーボードのウェアと聞くと、ジャケットやパンツなどアウターに「目がいきがち」ですが、実はインナーも大事な要素なんですと石原さんは強調します。 「ファーストレイヤー、ミドルレイヤーは街中で普段使っているもので対応、という方が多いです。でもスノーボードは滑って汗をかく、リフトに乗って体が冷えるという寒暖差が激しいスポーツ。つまり、体をドライに保つことが快適さにつながり体への負担も少ない。それが大事です」 例えば吸湿性に優れた天然素材のメリノウールや、スノーボードブランドならではの着心地の良さなどにも目を向けるのもよいのではないでしょうか。 akからは「[ak] スローカー メリノ ベースレイヤー クルーネック」(1万9,800円)という製品が登場しています。 スイスに拠点を持つブランド「Odlo(オドロ)」とのコラボレーションモデルとなり、メリノウール素材に加え、体にピッタリ沿うフィット感が特徴です。 調べたところ、オドロは「3層レイヤリング」を提唱し、スポーツアンダーウェアの重要性を早くから説く高機能スポーツウェアに強いブランドでした。 石原さんも「吸湿速乾性に優れた天然素材、そのメリノウールをいかにうまく製品に使うかが肝。なるべく体に縫い目が当たらないようにし、ストレスを減らしてくれるプロダクトです」とその良さを説明します。 ファーストレイヤーでのコラボレーションは珍しいですね。石原さんも初めてでは?と言います。肌に直接触れるものですし、オドロの強みであるシームレステクノロジー、筆者も味わってみたいですね。 街中でも使える 次に街中でも活躍しそうなギアを。秋や春の山用という「[ak] ミニマリスト GORE-TEX 3L アノラック レインジャケット」(6万500円)はミニマムで軽さを追求したというアノラック。パッカブル仕様なのも特徴です。 「いかに軽くするかという設計思想でポケットも最低限、それで胸もとまでの短いジップのアノラック型となっています」 2023年の春に登場した製品で、ひときわ目立つ特徴があるプロダクトではないですが、パッと見ると普通、でも高機能という点は[ak]らしいなと筆者は思いました。街中でのウォーキングや旅行など、幅広い場面で使えそうです。 スノーボードだけではもったいない [ak]シリーズにはバックカントリー用のバックパックが用意されていますが、日帰り用の軽量タイプの「[ak] サージェンス ツアー 18L パック」(2万6,400円)は普段使いにも良さげです。 「歩いて頂上を目指すために必要な機能を備えていて、体に密着するベストのようなショルダーストラップなどが特徴です。 素材に「ライトウェイト Cordura リップストップ ナイロン」を採用し軽量化、ショルダーストラップに小物類を格納できるなど、一見ミニマムな作りだけど高い機能性、この辺がakっぽさではないでしょうか。 「昔はとにかく新しいもの、トレンドみたいな風潮がありましたが今の時代は違います。長く使うパートナーとして購入してもらうので、色も定番カラーを中心に用意。そうした考え方でラインアップしています」と言う石原さん。 日帰りから1泊の旅行に使えそうな容量。体に密着できる仕様なので、自転車に乗る時も重宝しそうだと思います。 久々に見た[ak]シリーズですが、雪山でのみ使うのはもったいないと思うギアが他にも幾つかありました。個人的にはインナーがイチオシですね。旅行など、普段と異なる環境に行く時には頼もしい相棒になりそう。
金井唯