落語✕ダンス✕動物園! CHAiroiPLINおどる落語『らくだ』
振付家・演出家・ダンサーとして舞台だけでなく、テレビやMVの振付でも活躍するスズキ拓朗。彼が率いるダンスカンパニーCHAiroiPLINは、ダンスや歌、オノマトペなどをふんだんに用いた、ダンスを見たことのない人でも直感的に楽しめるエンターテインメント性の高い公演を重ねてきた。シェイクスピア、小説、童話、国宝である鳥獣戯画をダンスにしたおどるマンガ『鳥獣戯画』まで、ありとあらゆるものをダンスに仕立て、パフォーマンスを行っている。 ダンスカンパニーCHAiroiPLINを率いるスズキ拓朗 そんな彼らが今回挑むのはおどる落語『らくだ』。落語という言葉だけで紡がれるものをダンスで表現すると聞くと難しく感じるが、そこはこれまでさまざまなものをダンスとして上演してきたCHAiroiPLINのこと。2022年にはおどる落語『あたま山』を上演しているが、その際もまさに山のような小道具のあるステージで、歌ありセリフありの公演が繰り広げられていた。 今回はスズキによれば「動物園」がテーマになっているという。「らくだ」以外にも、久六が「ねこの久六」であったり、大家が「大家のトラ」、ほかにもクジャク、タコ、オウム、きりん……。大勢のキャストで勢いのいい舞台をつくることの多いCHAiroiPLINだが、今回のキャストは彼らにしては少なめの9名。それでも、登場人物の名前を見ているだけで、相当ポップな作品であることが伺える。 タイトルにもなっている「らくだ」を演じるのはオクイシュージ。これまでさまざまな役を演じてきたオクイだが、ダンスカンパニーに参加するのは初めてとのこと。そんなオクイがどんなふうにこの舞台に立つのか、興味深い。また、死骸に俗謡・かんかんのうを踊らせるシーンは「らくだ」を聞いたことがない人でも知っているほど有名だ。CHAiroiPLINでは公演のたびオリジナル曲をつくりアコーディオンでの生演奏を披露する清水ゆりが、このかんかんのうをどのように音楽で表現するのかも、見どころのひとつになるだろう。 落語✕ダンス✕動物園。「大人も子供も楽しめる」という常套句があるが、その言葉はこの異種格闘的な組み合わせにこそぴったりかもしれない。 文:釣木文恵 <公演情報> CHAiroiPLINおどる落語『らくだ』 振付・構成・演出:スズキ拓朗 出演: エリザベス・マリー / 清水ゆり / よし乃 / スズキ拓朗 (以上CHAiroiPLIN) オクイシュージ / 中野英樹 / 鳥越勇作 / 木原実優 / 江口力斗 2024年4月27日(土)~5月5日(日・祝) 会場:東京・三鷹市芸術文化センター 星のホール