盛岡市産材の小さな家具で商店街活性化へ ヤドリギのように寄り添う形で
盛岡市が取り組む市産材を活用した街なか商業活性化事業「YADORIGI project(ヤドリギプロジェクト)」が11月2日、「盛岡材木町よ市」で「YADORIGI ウエルカムイベント」を開催する。(盛岡経済新聞) 同事業は盛岡市産の木材の利活用や魅力発信と、市内商店街の活性化を目的に、市産材を使った小さな家具や商店街などに設置するもの。本年度は盛岡駅前商店街と材木町商店街と連携し、各商店街の街並みや特徴、商店街関係者と利用者の声などを参考に商店街ごとにオリジナルの家具を製作する。プロジェクト名の「YADORIGI」には、街の中に寄り添い、その場所に「宿る」ように商店街にフィットするという意味を込めた。 事業の企画や関係者や市民へのヒアリングなどは市内のクリエーティブ事務所「ホームシックデザイン」が担当し、家具の設計を市内に東北拠点を構える建築事務所「NoMaDoS(ノマドス)」、製作は市内の工務店「岩井沢工務所」が行う。完成した家具は商店街のイベントに合わせて試験的に設置し、常設については今後検討する予定。 ホームシックデザインの須川麻柚子さんは「商店街によって街の形やどのように街を利用してほしいかという考え、利用者の求める物がそれぞれ違う。商店街に合わせて家具を作ることで、課題の解決や魅力の向上、盛岡の木材の新しい使い方について知ってもらうことにつなげたい」と話す。 材木町商店街に設置する家具は、街灯に取り付ける形のテーブルと、生け垣に差し込んで使うテーブルの2種類。同商店街で開催する路上市「材木町よ市」で購入した物を置く場所が欲しいという利用者の声と、「同じ場所に滞留するのではなく、商店街を歩いて楽しんでもらいたい」という商店街側の声を生かし、立ったまま使うテーブルを設計した。 「よ市」の開催日に合わせて、家具のお披露目と使い方の説明、関係者への公開インタビューを行う「ウエルカムイベント」を企画。公開インタビューでは材木町商店街振興組合など事業に携わる人々が登壇し、家具が完成するまでの経緯や市産材と商店街の魅力などについて話す。 須川さんは「盛岡の木を使った家具が街の中にある良さや、盛岡で育った木材が身近にあることを、実際に見たり触ったり使ったりしながら感じてもらいたい。その上で、これからどんな家具があると便利なのかを教えてもらい、事業の発展につながれば」と話す。 開催時間は15時30分~16時30分。
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