きっかけは動画投稿 日本でも増え続けるネットカルチャー出身アーティスト
動画投稿がきっかけでデビューを果たしたジャスティン・ビーバー
音楽誌の編集者は語る。 「その最たる例が、今や世界的な人気ミュージシャンとなっているジャスティン・ビーバーでしょう。12歳の頃にYouTubeに投稿した“歌ってみた動画”が、音楽業界関係者の目に留まり、スターダムを駆け上がりました」 当然、日本でも同様の流れは起きており、「ここ数年若者を中心に人気を集めている米津玄師さんも元々は、『ニコニコ動画』にボーカロイドを使って自身の楽曲を投稿する“ボカロP”出身です。今でこそシンガーソングライターとして同業者からもその才能を高く評価されている米津さんですが、“ボカロP”以前にバンド活動をしていたときは、オーディションを受けたものの、2次審査で落選するなど、当初から音楽業界内で知られた存在というわけではありませんでした」。 このようにネット上での活動をキッカケに注目を集めて、後にプロ歌手、アーティストとして大手レコード会社からメジャーデビューを果たすというパターンは年々増え続けているのが実状だ。 「今年ブレーク必至と言われているあいみょんさんも、友人がYouTubeにアップした動画がキッカケでメジャーデビューを果たしましたし、女性ラップシンガーのDAOKOさんも動画共有サービスへの投稿が注目を集めて活躍の場を広げました。これまでB'zや倉木麻衣、ザ・ハイロウズなど大物アーティストが担当してきた人気アニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマに現在抜擢されているシンフォニックロックユニット・NormCoreのリーダーのFumiさんも、うみくん名義でYouTuber歌手、『歌い手』としての活動もしています。ちなみに、このオープニングテーマの作曲も『ニコニコ動画』やYouTubeで自身の楽曲を発表し、カリスマ的な人気を誇り、Twitterのフォロワー数が150万人近くもいる、まふまふさんが務めています。長年続く国民的人気アニメの主題歌をネットカルチャーから生まれたアーティストが手掛けるというのは、まさに今の時代を象徴する現象でしょう」(同編集者) ネットの普及により一般社会と芸能界との距離が縮み、門戸が広がる中、文字どおりの“未知”の新星が、エンターテインメント業界を彩る機会が今後ますます増えていきそうだ。 (文・竹下光) ※Fumiは「u」の上に点が2つつく、ウムラウトつき「u」が正しい表記です。