これからが最盛期 夏フェスの魅力と課題
さまざまな団体が、さまざまなコンセプトでフェスを開催しており、15年以上の歴史を誇り、10万人以上を集めるものもある。一方で、コンセプトが受け入れられない場合、単年で終わるケースもある。2006年に“大人の夏フェス”をコンセプトに行われた『ウドー・ミュージック・フェスティバル』(富士スピードウェイ、泉大津フェニックス)は、キッスなど大物アーティストのステージを用意していたにも関わらず、観客は閑散として、その年限りとなった。「フェス自体、話題性がありますが、すべて成功しているわけではありません。チケット代もそれなりに高額で、数万人規模で集客するので、ビジネスとしては魅力的ですが、継続させることが難しく、コンセプト受け入れられるか、が重要になってきます」(レコード会社関係者)。 一方、人気のあるフェスでも課題はある。これまでの課題は設備的な問題が散見された。郊外型は、スキー場などもともと、ライブ会場でない場所で開催することが多いため、人気が高まることで急激に動員数が上昇。会場の歩道の幅の狭さや混雑、雨天時のぬかるみ、トイレ不足など、設備面での問題点が取り沙汰されてきた。現在では、マナーの問題が取りざたされている。好きなアーティストのライブを最前列で観るため、そのアーティストが出演する数組前から、ステージ最前列を陣取り、スタンディングではなく、座ったままで鑑賞し、“場所取り”するファンも出没。ネット等で非難されることもある。「お目当てのアーティストを見るためにフェスに行く、というファンもいるので、その行為を規制することは難しいでしょう。とはいえ、マナーの問題でもあるので、気持ちよく楽しんでもらえればと思います」(前述・レコード会社関係者)。 今週末には、大手芸能プロダクションが主催する『BBQ in つま恋』(7月19日)が開催され、Perfume 、ポルノグラフィティら人気アーティストが出演する。7月最後の週末は『FUJI ROCK』が開催。翌週、翌々週には『ROCK IN JAPAN』と毎週末、さまざまな会場で夏を彩る音楽イベントが開催される。 スケジュールの都合や、まだ“郊外型”に踏み切れない人はテレビで楽しむこともできる。「FUJI ROCK FESTIVAL」はスカパー!とフジテレビNEXT ライブ・プレミアムで放送、「BBQ in つま恋」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」はWOWOWで放送される。とはいえ、話題の夏フェス、一度は生で体験してみてはどうだろう。