婚活で惨敗した、42歳「埼玉出身の女性」の東京への執念…7年かけても、結婚相手が見つからなかったワケ
母の呪文と理想の未来
多くの女性が人生のいずれかの時点で、結婚というものに憧れる時期があるのではないだろうか。 「小室圭」さんの様子がおかしい…眞子さんとの同棲で「2年前とは別人」になった理由 純白のドレスを身にまとい、新郎と見つめ合うわたし、愛らしい子供を抱っこして微笑むわたし……くらいの抽象的な幸せ像であれば差し支えないのだが、あまりにも具体的な結婚のカタチにこだわり過ぎると、現実とのギャップに苦しむことになる。 今回は都心での結婚生活に固執して失敗を繰り返してきた美佳さん(仮名・42歳)を例に、条件に囚われすぎる婚活の落とし穴を紹介したい。 美佳さんが私のもとを訪れて既に7年が過ぎている。一般的に1~2年で結婚に至らないと休会してしまう女性婚活者が多い中、美佳さんは執念とも言える気力でお相手選びにこだわり続けている珍しい方だ。 まずは、美佳さんのアイデンティティーを養った生い立ちから紹介をはじめていきたい。 美佳さんは群馬県にほど近い埼玉県で生まれ育った。父親は地元で建設関係の小さな会社を経営しており、母親は会社の事務を取り仕切っていた。地方色のあるのんびりした土地で、金銭面でも比較的恵まれた生活を送っていた。 しかし美佳さんの母親は上昇志向が高く、今の生活に満足しきってはいなかった。学生時代に交際していた都内の男性と結婚していたら違う人生だったと、美佳さんに繰り返し呪文のようにこぼしていたという。 子供の頃の美佳さんは、リカちゃん人形で遊ぶことが大好きだったことから空想の世界を現実に見立て、リカちゃんをお母さん役にイサムくんがお父さん役、双子の姉妹がいる設定で暮らしていたそうだ。 朝、イサムパパが出勤する時にはリカママは玄関までお見送りをする。その後、リカママは料理をしたり、双子のお世話をしたり、綺麗なドレスを来てお買い物に行ったり、楽しい時間を過ごすのだ。 和風建築に家族が暮らす美佳さんの自宅と違い、リカちゃんハウスは近代的なマンションタイプを夢見させてくれた。現実とのギャップを空想で補ってきた美佳さんは、実現すべき「理想の未来」を幼少期に作り上げ、そこに母親仕込みの理想も重ねてカスタマイズしていったのだと語り口調から察することができた。