【老後相談】夫婦ともに非正規雇用です。老後資金が心配なのですが、どのように準備したらよいですか?
Aさん夫婦は現在40歳。夫婦ともに高校卒業後からずっと非正規雇用で働いてきました。年金や税金面で未納はありませんが、貯蓄がなく老後資金が心配だとのことです。現在Aさんはフルタイム勤務、妻は扶養内パート勤務です。老後資金のつくり方をアドバイスします。
非正規雇用とは?
非正規雇用とは、雇用契約の中で、有期雇用・契約社員・派遣社員・パートタイマー・アルバイトなどで働く人のことです。正規雇用でない雇用形態で、期間の定めや短時間勤務等、働き方は人それぞれです。 非正規雇用の人は正規雇用の人に比べ、給与や手当、賞与や退職金などが劣ることがあり、さらに、有期雇用であれば、更新の有無で不安になることもあります。 2022(令和4)年賃金構造基本統計調査の概況では、雇用形態別の40~44歳の年齢階級の賃金をみると、男女計で、正社員・正職員347.5千円に対し、正社員・正職員以外217.6千円となっていて、正社員と正社員以外とで129.9千円の差があります。 長く働くことを希望するのであれば、一般的に正規雇用のほうが安心です。正規雇用であれば、雇用期間の定めがないため、 労働者本人が自ら離職するか、業績悪化などの理由で会社が倒産しない限り雇用契約は続くからです。
老後の年金の考え方
老後、すなわち働けなくなった時の備えとなる年金。Aさん夫婦のように保険料を納付し続けていれば、国民年金部分である老齢基礎年金は79万5000円(2023年度満額)と、厚生年金保険に加入している期間は、上乗せの老齢厚生年金を、原則65歳から受け取ることができます。 会社員や公務員などが加入する厚生年金保険部分である老齢厚生年金は、加入期間だけでなく、報酬額(給与)によっても異なります。スキルアップしながら、転職をするのであれば、報酬額も増えるので、老後資金の心配は軽減できると考えられます。 しかしながら、非正規雇用の人は正規雇用の人に比べ、賃金が低額になることが多いため、今後の働き方(雇用契約)を考えることも必要かもしれません。