ダミアン・ジャレ×名和晃平の最新作パフォーマンスアート「Mirage [transitory]」が博多で上演決定!
世界的に活躍する振付家でダンサーのダミアン・ジャレと、彫刻家の名和晃平のコラボレーションによる新作パフォーマンスアート「Mirage [transitory]」(ミラージュ [トランジトリー])が、2024年9月27日(金)~10月6日(日)の期間中、福岡県福岡市の「THEATER 010」で公開されることが決定した。 【写真】コラボレーション3部作の作品 ■「Mirage [transitory]」はどんな作品? 最新作となる「Mirage [transitory]」は、これまでのダミアン・ジャレと名和晃平のコラボレーション3部作に続く作品。 1作目の「VESSEL」(ヴェッセル)は、2016年に京都で初演。生と死、大地と生命の循環、そのすべての背景をなす「vessel」(器)を基本概念とした初のコラボレーション作品で、「ヘッドレス」と呼ばれる頭部を見せない特徴的な姿勢をとったダンサーたちが、彫刻的な身体表現を通じて世界観を描き出す。 2作目の「Mist」(ミスト)は、2021年5月にオランダで予定されていた舞台公演が中止となり、映像作家ラヒ・レズヴァニの撮影による映像作品として、2022年1月にオンライン配信。霧と身体の関係が神話的なイメージを織り成す幻想的な作品となっている。 3作目の「Planet [wanderer]」(プラネット[ワンダラー])は、2021年9月にパリで初演。光を反射する黒い砂のランドスケープを背景に、地を這う霧や降り注ぐ粘度の高い液体が気象現象のように舞台を包み込む。その中で、植物のように⾵に揺れるダンサーたちの身体表現が印象的。 「Planet [wanderer]」では、砂漠や別の惑星といった、荒涼とした環境においてさまよう人々の姿が描かれていたが、今回の「Mirage [transitory]」では、そんな環境の中で限界を感じた人々が見る幻覚や蜃気楼に焦点が当てられており、コンセプトの連続性を持っている。ダンサーが近づいては離れ、離れては近づきを繰り返しながら、めまぐるしく姿を変容させていく様は、生命の儚さと永遠性を同時に表現しているのだとか。 「Mirage [transitory]」では、ダンサーたちが、明滅する光やうつろう気象、あるいはその中で進化や変態を繰り返す動植物たちのように、刻一刻と姿を変えていく様子を表している。それら異なる姿形のもの同士が触れ合うことを通じて、生と死、太古と未来、調和と混沌といった、一見対立する概念の境界を表現。情報と物質の境界すらもあいまいになった舞台が「変容の場」と化していく様子を、ダミアン・ジャレと名和晃平が描く。 ■舞台を作り上げるのは豪華スタッフ陣! ジャンルや形式に捉われず、さまざまなクリエイターとコラボレーションしながら世界的に活躍するダミアン・ジャレと名和晃平。もともと日本文化に深い関心を寄せていたダミアン・ジャレが、2013年の「あいちトリエンナーレ」で名和晃平のインスタレーション作品である「Foam」に共鳴したことから、2人の関係が始まったそうだ。 また、出演には、ギリシャ、アメリカ、オランダ、中国、日本など世界中で活躍するダンサーたちを招聘。さらに、元ダフト・パンクのThomas Bangalterが音楽を、テクノロジーと身体の関係性を追求するANREALAGEが衣装を制作する。アート、ダンス、音楽、ファッションの融合が楽しめる、新感覚の舞台作品だ。 「Mirage [transitory]」が上演されるのは、世界トップレベルの食とエンタメが融合した福岡・博多の複合施設「010 BUILDING」併設のイマーシブシアター「THEATER 010」(シアター ゼロテン)。デザインされた空間、迫力の音響照明演出、DJによる音楽、世界トップレベルのパフォーマーによる歌、ダンス、アクロバットなど、ひと足踏み入れた瞬間から非日常的な空間が広がっている体験型エンターテインメント施設だ。「THEATER 010」ならではの、観客とダンサーの距離が近い環境を活用した、ダイナミックな舞台構成にも注目したい。 福岡での上演を皮切りに、スイスのジュネーヴ大劇場や、ヨーロッパ公演の巡回を予定している「Mirage [transitory]」。世界初公開の舞台をぜひチェックしてみて。