「心の底から笑顔になれることはもうない」家族2人がいまも行方不明の男性…運航会社の責任問うため"決断" 知床での観光船沈没事故から2年前に 北海道
UHB 北海道文化放送
北海道知床沖で観光船が沈没した事故から4月23日で2年になります。当時7歳の息子と元妻が行方不明になっている男性が、前に進もうとある決断をしました。 2022年4月23日、北海道知床半島沖で観光船KAZU1が沈没した事故。20人が死亡、6人が行方不明のままです。 母親とともに観光船に乗っていた当時7歳の男の子。2人の行方は今も分かっていません。
息子と元妻の帰りを待ち続ける北海道帯広市の男性です。 事故のショックで体調を崩し、仕事を退職。今も働くことができていません。 「(事故前とは)全く違いますね、何もかも。気力もなく倦怠感が常にある。心の底から笑顔になれることはもうないような気がします」(元妻と息子が行方不明の男性) 男性は2月、ある決断をしました。
行方不明となっている息子が法律上亡くなったものとする「認定死亡」を自治体に申請したのです。 他の被害者家族とともに、運航会社と社長を相手取り、損害賠償を求める裁判の原告になるためには「遺族」になる必要があったからです。 「悲しいです。つらいです。つらくてつらくて、(息子の名前を)書いている最中も涙が止まりませんでした」(元妻と息子が行方不明の男性) 息子の死を受け入れることは、容易ではありませんでした。しかし、それ以上に運航会社の桂田精一社長に責任を問いたいという思いが強く、裁判で闘う決意をしました。
「知床の観光船の事故からもうすぐ2年になりますが、誰も何の責任も取っていない。(桂田社長からは)謝罪もないですし、いつも言い訳ばかりして逃げてばかりで。責任をとらせたい、認めさせたい」(元妻と息子が行方不明の男性) 弁護団によりますと、裁判に参加するのは乗客24人のうち、14人の家族約30人。 裁判では「安全統括管理者」兼「運航管理者」だった桂田社長が、荒天が予想される中、出航を認めたなどの安全管理責任が焦点になるといいます。
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