親子で小水力発電学ぶ 野底川発電所を見学【長野県高森町】
長野県高森町は23日、飯田市上郷の野底川小水力発電所で小水力発電の体験学習会を開いた。小学生の親子8組18人が参加。水力発電の仕組みを学び、再生可能エネルギーへの関心を高めた。 2050年までの町内の二酸化炭素排出量実質ゼロを目指し、21年に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明した町は、公共施設への太陽光発電設備設置や照明のLED化などハード面での整備を進めている。一方で、町民レベルでの活動の広がりに課題があることから、住民の関心を高めるため、親子で楽しみながら環境について学べる機会を設けている。 今回の見学会は、身近な自然を活用した発電方法を知ることで、地球温暖化防止への理解を深めようと初めて開催。再生可能エネルギー事業などを手掛ける同市のおひさま進歩エネルギーに講師を依頼し、水力発電の仕組みを学んだ。 座学では、実際に小型の発電機を使い、水が流れる力でLED照明を点灯する実験に挑戦。水が落ちる高さの違いで変化する発電量も確認した。 施設見学では、ごみを取り除いて効率よく水を取り込む取り入れ口の工夫を確認し、約1キロ下流の発電所に移動。大きな音を立てて水車が回り発電する様子を興味深げに見つめていた。 参加者からは「この地域に太陽や水といった自然の力を利用した発電がたくさんあることが分かった」「電気を作るのは大変なので大切に使いたい」などの感想が聞かれ、町環境水道課は「普段何気なく使っている電気が、どのように作られているかを知る良い機会になった」とした。