欧米版「となりのトトロ」大人の心に響く物語…推しの一本
◆「ブルー きみは大丈夫」 （ジョン・クラシンスキー監督、公開中） 幼い頃、ままごとや一人遊びで作り出した想像上の友達（イマジナリー・フレンド＝ＩＦ）のブルーと、母親を病気で亡くして心に傷を抱える少女ビーの心温まるファンタジー。ＩＦは子供が成長して大人になると忘れ去られてしまう。ビーは、ブルーの新しいパートナーを見つけるため、冒険に出る。 いい意味で想像を覆された。愛らしいもふもふのキャラクターが載ったポスターを見て、子供向けのほのぼのとした作品だと思ったが、むしろ人生の悲哀を知る大人の心に響く物語だ。不意に熱いものが込み上げ、心が洗われるような、すがすがしい気持ちになった。 大人になると見えなくなる―。この設定が気になり、しばらくモヤモヤしたが、気が付いた。これは欧米版の「となりのトトロ」だと。成長することによって、純粋な心や豊かな想像力を失ってしまう切なさ。この感覚は万国共通だ。
報知新聞社
